183系気動車(グリーン席) 最終確認時期:2009年9月

183系気動車のグリーン席は、長らくR27Bが幅を効かせていましたが、ハイデッカーグリーン車やグレードアップグリーン車などの試行的導入、281系の登場から、本格的に改座が進行しました。

所要時間では長い部類の「オホーツク」グリーン席でも、改座が行われています。キロハ化されていない車両については、グレードアップグリーン車時代の座席が残っていると伺いますが、私は生憎巡り逢えたことが無く、そのまま終わりそうです…。

一頃、様々なスタイルのグリーン席が乱舞していた北海道ですが、281系気動車登場後は281系スタイルのグリーン席にほぼ改座統一されました。リクライニングと座面スライドが連動する形式です。

シートピッチは1160mm、281系より15mm長いものです。主たる装備の違いと言えば、オーディオユニットが端折られているくらいでしょうか。センターアームレスト部分の小物入れ(メガネ入れなどを想定しているらしい)は健在です。ソデ体の背もたれ側に黒い小さなレバーが見えます。これを手前に倒すとランバーサポートが飛び出るようになっています。

ヘッドレストは4段階可変式となっていますが、一定角度まで引き出すとカクンと元の位置まで戻るようになっています。

リクライニングさせるとこんな感じ。札幌から網走まで昼行便でも長駆5時間余の距離を考えると、設備への投資もあながち無駄ではないと思われます(笑)。

2人掛席はこんな感じ。以前設定されていた夜行便にはB寝台車が連結されており、動力確保と編成回転の関係でグリーン車も連結されていました。

当時は「北海道フリー切符・グリーン車用」であればB寝台車でもグリーン車でも利用できたのですが、複数回乗った感触では、人気的にB寝台>グリーン席だったでしょうか。

今は昔、183系による「スーパーとかち」にはダブルデッカーグリーン車が連結されていました。現在は、全車両引退し、釧路のヤードの片隅でウダウダしているとの由。

「おおぞら・スーパーとかち(当時)」に連結されていた2階建てグリーン車の座席部分。R33を想起させるフレームですが、跳ね上げフットレスト装備のオリジナルの座席です。フットレストはラチェット機構で固定されるのですが、取材時点ではその機構がうまくいかないものも多数…メンテに投げやりを感じたのですが、程なくこの車両は編成から外されました…なるほど。

座席表地が独特で、少し滑り感の残るよそよそしさを受けました。座席自体の座り心地やクッションは良かったんですけどね…どうにも服が滑ります。良かったとすれば、この車両は動力エンジンが無く、気動車ながら静かな空間だった、と言うことでしょうか。眺めもかなりデッキが高いので、市街地ではそれなりに楽しめました。

2人掛席。窓枠の丸い出っ張りは上着・帽子掛です。よく見ると、座席背面に何やらフタをしたような設えがあります。ここ、かつてはTVがセットされていました。

足下に壁から突きだしているのは荷物置台ですが、いざ荷物を置くと窓際の人は結構狭いです。こんな設備ですが「ノースレインボー車」にも引き継がれました。

オホーツクのグリーン車の喫煙コーナー…2人で定員という趣…狭いっす。勿論、今ではここでも禁煙です。

バブリーな時期に、ハイデッカーが凄〜く流行った時がありました。広い広い北海道、ちょっとアイポイントが高いのも悪くありません。

183系気動車のグリーン席は、レベルアップした普通席との格差を設けるため、2つの路を造りました。1つはノーマルデッキのまま1&2配列化した上、背面に液晶TVを設置し、レッグレストまで設置という満艦飾座席による「ハイグレードグリーン席」。

もう1つが、2&2配置ながら床面の高い「ハイデッカーグリーン席」。果たして、前者は1両を残し絶滅。後者はその後登場した281系とのレベルマッチングに巻き込まれ、ハイデッカーのまま1&2改造を受けると言う結果となり、設備レースでは掟破りなゴールに辿り着きました。

1人掛座席。基本的に先のオホーツクで見られるグリーン席と変わりません。

展開時。この車両は窓枠がかなり下まで来ているので、流れゆく車窓を振子車両とは別次元の迫力で楽しめます。

2人掛座席。ヘッドレストは手動で角度の4段階調節が可能です。

背面から観るとよく判るのですが、この座席は通路を通る人の肩筋が背ズリにぶつからないように象られていることが見て取れます。この辺、JR西日本や九州の座席とは対照的。

東日本も、最近のグリーン席はこんな感じの造形をしていますが、デザインが機械的すぎるというかあざとすぎてイヤらしさを、というか下品さを感じる点が×。

ゆったりが身上のグリーン席ですが、進行方向最前列の2人掛席通路側のみ、フットレストが通路との切り返しスペースの犠牲で少し狭めになっています。

おそらく、ここに宛がわれるのはラストだと思うのですが…。

ハイデッカーへのアプローチ部分には、撮影当時でこそ喫煙室がありましたが…現在は全面禁煙となり、このコーナーも何となくフリースペースと化しています。勿論グリーン車内につき、グリーン客専用ということに。

車内販売カウンター部分には、待客用の設備と思われますが、壁面に折り畳み椅子があります。ココだけ観ると、ちょっと寝台車っぽさを思い出すのは昭和の人限定?

カウンター内部をちょっとだけ。結構本格的な造りになっていることが判ります。水は車内でお湯にすることが可能。コーヒー程度なら作り置きの積み込みをせずとも何とかなっちゃいそうです(実際、そうなのかも)。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
グリーン(キサロハ)1付番無し1160mm
グリーン(キサロハ)2付番無し1160mm
グリーン1付番無し(281系気動車類似)1160mm
グリーン2付番無し(281系気動車類似)1160mm