721系電車(一般席) 最終確認時期:2004年9月

札幌駅で列車を待っていると間違いなく1回は目にするのが721系です。JR東海311系、JR九州811系とほど同時期に活躍を開始。3ドア転換クロスシートと言うジャンルを確立した、アコモデーション的にも革新的な潮流を作った車両でもあります。

北海道の車両は降雪時の視認性の関係か、ライトが多い車両が殆どですが、この車両の前照灯は少々両サイドに寄り過ぎのような気もします。ま、いいか。

初期投入車(1次車)の全景です。鮮やかな朱がポイントです。

最近撮った方、中央デッキから車端に向かって撮ったカットになります。こうして見ると判るのが、1人掛席は一方向の端部に設置されていることになります。

中央デッキの仕切扉、スズランを象った模様が入った化粧板で涼やかに、室内側は山吹色をベースにしたイエローの化粧板で座席のモケットと相まって暖色イメージとなっています。

このころの投入車はオール転換クロスシート、2&2配列を基本としています。シートピッチは910mm、ヒーターを座面下に吊り下げる形にしているので、足下のクリアランスも確保されています。

不満な点は少ないのですが、座席によって窓枠がぶつかってしまうのは少々悔しいですね。

この列車に乗って小樽方面へ向かう場合、確保すべきは札幌から小樽に向けて進行方向右側。線路のすぐ脇に海岸線が迫ります。

中央デッキに近いところにある1人掛席。ドアを挟んでお隣の区画には…。

優先席としての1人掛席があります。

この1次車ですと、壁面のヒーターは上に保護カバーが掛られています。

今では既に中期投入次数車(2次車〜7次車)となってしまいましたが、表地のモケット色が茶色をベースとしたものになりました。見方は好みの世界ですが、個人的にはこちらの方が落ち着きと、床面とのトーン合致の点からはお気に入りです。

座席自体も初期投入車とはモケット色以外にあまり違いは見当たりません。強いて挙げるとすれば、背面両脇のバケット強調度がわずかに抑え気味になっているような気がします。

このソデ体、一般的なJRで見かける転換クロスシートというより、名鉄の転換クロスシートに近い雰囲気を持っています。ソデ体の形状はその最たる部分といえます。

1人掛部分。デッキ近く、人が溜まるにもかかわらず結構人気があるようです。

この写真は4次車以降の車両で見られるヒーターがあります。2・3次車はヒーター形状が異なっています。

お約束の優先席。

さて、721系についてはuシート1両化とエアポート編成の運用固定に起因してか、最近も増備がなされています。8次車と呼ばれる区分が発生しました。

車内全景を見ての通りで、デッキが無くなり、非常に開放的な室内となりました。併せて、カラーコードも青をベースとして、涼しげな風合いです。

転換クロスシートはピッチこそ910mmと変わりませんが、座席自体はJR西日本223系・JR東海313系で見られるソデ体にかなり近いフレームをしています。

座り心地自体は、かなり優れている座席であると評価します。1人区切りとなった座面による程よいバウンスと、腰回りの食い付きの良さが相まって、並み居る転換クロスシートでも出色の出来上がりになっていると思います。

8次車の決定的な部分と言えば、オールクロスシートを破り、一部ロングシートになったことです。

ドア脇2人分がロングシートになり、車両中央に近いところに優先席がセットされました。

車端部です。右側は車椅子対応トイレ、左側が車椅子対応エリアです。

ドアはイエローをベースに、半自動ボタンが備えられてパッと見では東北各線の車両の雰囲気に近くなりました。それでも、酷寒地車両としてのエアカーテン装置が北海道の厳しさを物語ります。

731系電車と似通ってますが、座席との仕切り板の形状が異なります。

さて、車椅子スペースにはこのようなオプション(?)設備がありました。半自動収納式の座席です。

全く同じ、と言うわけではありませんが、名鉄にもこれに近い座席がありますよね…1人掛がポツン…と。

座席を引き出してみたのですが、復位の力は思ったより強く、引き出して向きを変えて座ろうとすると結構スリリングかも知れません。

トイレは車椅子対応は勿論のこと、真空吸引式となりました。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(一般席)1付番無し910mm
普通(一般席)2付番無し910mm