789系電車 最終確認時期:2003年3月

白鳥が帰ってきました。5両編成が基本のスーパー白鳥、最高速度140km/hで青函トンネルを駆け抜けます。函館〜青森間約2時間、函館〜八戸間約3時間をスピード感ありありのまま楽しめます。

車内は防音もよく行き届いており、これについては最近の新製特急車両の中でも群を抜くのではないでしょうか?座席位置によってはコンプレッサーが少々五月蠅いのが難点です。

そして、2006年3月のダイヤ改正から「つがる」として、本州内限定運用も持つようになりました…JR他社線内で運用が完結する列車に回されるのもなかなか珍しいですね(東海道新幹線のカオス状態はともかくとして)。

ドアデッキ部分です。津軽海峡に照準を合わせたイラストがシンボリックです。281系気動車に最初はあった「HEAT」の文字、遂に789系が受け継ぎました。

デッキ部分はスポットライトを多用した、ムードとコントラストのある造りになっています。

普通車全景です。提携先のデンマーク国鉄デザインコードに倣っている、ということですね。261系気動車普通席と雰囲気の違いを見つけるのはなかなか難しい様な気がします(勿論、手摺りとかその辺、細部はかなり異なっていますが…)。

座席色は車両によってかなり異なります。この辺はちょっとドーンデザインっぽいですね。

普通席です。まず目に付くところとして、ヘッドレスト上端の手摺り・背面のチケットホルダーは北海道スタイルとして定着したでしょうか?付け位置もまぁ…(笑)。しかして、現実の活用は「?」なのが悲しいところです。

座席のフレーム自体ですが、サイドのアームレスト部はC-R66系統ですが、ソデ体下部は前方への張り出しを止め、代わりに座面幅が広がった形状に展開されています。

センターアームレストは785系電車「uシート」で知られるようになった幅広タイプになっています。座り心地ですが、座席の各パーツの寸法や角度について、熟成を重ねたモデル故に死角は見あたりません。詰物が少々硬めなせいなのに加え、表地が少々滑るような生地は、揺れが厳しいと少々どうかな?とは思えます。

車端部の隅用です。普通車用とはいえ、1人分キッチリ確保しているところはさすがです。壁際に状差しが兼ねられているのも最近よく見る仕掛です。

1号車はグリーン席と普通席の合造となっており、その普通席側です。他の普通車とは少々異なる装備が色々と…。

まず一般的な2人掛です。座席自体は普通席のそれですが、窓側にサービスコンセントがセットされています。モバイルマシンや携帯の充電など、使い道は色々。通路側の人は気まずくならない程度に譲り合ってご利用下さい。

先ほどの一般的な2人掛席もそうでしたが、リクライニング角度が従来のそれに比べるとあまり大きくありません。進行方向のチェンジが多い同区間にあって、リクライニングによる「ご近所戦争」を回避する上で重要なファクターであると思います(笑)。

1人掛席の後の2人掛席は背面テーブルが使えない関係で、インアームテーブルがセットされています。281/283系で見られたアレと同じです。

もっと言えば、JR東日本255系電車普通席のそれ…。小糸工業納入の場合、あるあるな光景です。

車椅子対応の1人掛席です。

勿論、肘掛は上がります。

グリーン車に入ります。こちらも座席数こそ多いものの、261系気動車に準じたデザインの流れを感じます。圧倒的に深い青が落ち着きを提供してくれます…。

新車故の悩みか、座席の革のニオイは苦手な人は苦手なようです。乗車当日も隣のブロックに座った人はちょっと辛そうでした。勿体ない…。

1人掛席です。ランバー部分を中心に、261系グリーン席より全体的にメカメカし、座席としての彫りが深くなったような気がしますね。

その全展開の様子。このグリーンのフットレストは281/283系気動車でも使っていますが、耐久力に少々問題があるように思えます。横方向のショックに弱いと感じられる挙動は改善していただきたい項目です。

リクライニングについては、背面が傾斜するのに連動して、座面が僅かにスライドします。JR東日本のリクライニングシートは、座面がチルトしたりスライドしたりしますが、グリーン席については動かないモデルの方が多いです。

その辺りの考え方の違いは面白いところです。

2人掛です。函館を発車して青函トンネルをくぐるまでは、2人掛席の方が良い眺めになります。

革張りの座席ですが、JR九州885系電車のそれのようなコシのないヘタレ座席ではなく、強めの張りの中にしっかりと体をホールディングさせようとする彫り込みやライン引き、パーツ構成が見られます。

センターアームレストも、大形1枚板ではなく1人毎に板を分けています。結果的に1人分のエリアがハッキリ明示されることとなりました。良いことであると思います。

さて、この座席はヘッドレストが上下するのは気付かれた方も多いと思いますが、実は「ウイングアップ(適当な造語)」もします。

ヘッドレストの両サイドを掴んで引き起こすと、画像のようにヘッドレストとして両側が包まれるような感じのフォーメーションになります。

座席メーカーは伝統の小糸工業ですが、このメーカー、航空機の座席でもヒジョーに似たパーツを使った座席がありました。そう言う意味では鉄道座席は航空座席に近づいている部分がある、と言う認識は間違っていないと思います。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(車椅子対応席)1付番無し960mm
普通2付番無し960mm
グリーン1付番無し1145mm
グリーン2付番無し1145mm