14系客車(1) 最終確認時期:2010年09月 | |
あれよあれよという間に、JRの定期急行では孤高にして最後の存在に…それでも未だなお青森〜札幌間の夜の主として活躍する急行「はまなす」…新幹線開業で間もなくの終焉となってしまいます。 かつては、寝台車を抜いた編成が快速「海峡」として間合い運転していました。で、この写真の撮影は札幌駅…機関車の後ろに見慣れぬ1両がつながっているのはご愛敬です(笑)。 |
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北海道の「はなます」向け14系座席車は座席が3種類あり、自由席で2種類が見当たります。1つめがこのR51C、表地のモケットがJR北海道ナイズされているのみで、原型の形状をよく保ったタイプです。喫煙車が設定されていた頃の撮影なので、窓側小テーブルの下に灰皿が残ってます。 サラリと注目されるべきは座席台座。R51のようなリクライニング機構を持つ座席で、旧来の塗り台座で文字通りの金網というタイプが残っているのは極めてレアと評されるべきでしょう。 |
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続いて、R51C改がお出迎えです。アームレスト上端を改造し、R55と同様の位置に灰皿がセットできるようになっており、183系気動車や781系電車のR51C普通席でも健在です(た)。 座面・背面ともに、若干の形状改良が施され、少し肉厚な詰物と共にバケットタイプにはなりきれない段付モケットとなっております。台座はサラッと、金網がパンチングメタルのメッシュ板に換装されていますね。 せっかくドリームカー(指定席)を確保しても、検査の都合で時折この車両が入っていることがあります。大当たりと考えるか、サイコロで最も出したくない目を出した時の某俳優のようになるか、恐ろしき落差。 |
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普通車指定席へ入ります。車内全景は「はまなす」間合いの快速「海峡」だった頃で撮影したもの。「ドリームカー」と呼ばれるR27B改の座席が設置されています。青森駅では時たま顔を出している特急「かもしか」のG席とほぼ同等の座席となっています。 荷棚が改良されており、各席毎に読書灯が設置されているなど、夜行運用を強く意識した設えが感じ取れます。 |
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普通指定席は、183系気動車のグリーン席から移設した(改座で蹴り出されてきた)R27B改です。着座就寝を前提とした列車のため、リクライニング角度が改良され、6段刻みで限界一杯まで拡張されています。アームレスト脇の引き出し小テーブルが健在している貴重な座席となっています。 座り心地ですが、バケット形状が少々強すぎて身体のサイズを選ぶ座席といえます。合わないと悲惨ですよ…これ。しかし、リクライニングをフルに倒して寝そべると、得も言われぬ沈み込み感が得られます。 昨今のリクライニングシートで「ゆりかご」を強調している某座席とか某車両とかありますし、趣味誌などでもそれらを強調している記述が存在するのですが、国鉄はそれ以前からこのような「自在腰掛」について形状と挙動を研究しており、この座席の頃にはもう実現していたんでしたよネ。 |
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デッキ仕切扉の隅用はこのような感じになっています。この辺は限りなくグリーン席仕様(喜)。 |
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コチラも普通指定席扱いながら、非常に有名な設備として「カーペットカー」があります。50系「海峡」には連絡線桟敷席のようなカーペット車、快速「ミッドナイト」には同様の枕と掛け毛布だけがあったカーペット車があり、夜行列車の定番設備の感もアリマス。急行向けということもあるのか、それら以上、寝台未満という立ち位置がチラチラしている車両です。 夜行列車と言うこともあり、女性専用区画が画像奥の方、平屋1〜4番と2階席21〜22番が相当します。女性区画の向こう側、デッキ部には更衣室が設置されています。 |
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番号の大きい側を特に向けて撮ってみました。カーペットは、通路から少し小上がりのようになっており、靴はこの段差に仕舞い込むようになっています。2階席とまでは行きませんが、海側線路方向に寝転がる上段カーペットがあり、アプローチする階段が所々に設置されています。 平屋席のカーペット区画を見ると、1人毎に敷物の色が分かれており、夜の国境侵犯が起こり(し)づらいような配慮もチラリと見えます。 |
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ワリと有名な「28番席」がこれ。設備構造上、アプローチする階段がこの席専用となっており、その抜群のヒキコモリ感と個室感が人気のようです。それで無くとも、もともと2階席は人気なんですけどね。 見ての通り、カーペット車は枕と掛け布団があり、この角度からは見えませんが、ハンガーが各席に1つ割り当てられています。限りなく寝台に近い座席、というのが急行指定席としてのビミョーな格差感を演出しています。 |
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平屋席の構成はこれ。各席に小窓と、着座時の背当て用クッション、枕・掛け布団・ハンガーがセットになっています。荷物棚の為のスペースはほぼ皆無と考えて下さい。大荷物の持ち込みは顰蹙のモト。 |
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夜行列車ではロビーコーナーなどが一般的です。この列車にもドリームカー併設でミニロビーがあります。 シーズンになると、このミニロビー鉄火場としてしまう人も居るそうですが、仕切扉1枚向こうは多くの人が寝ている客室です。騒ぎすぎはイケマセンね。 |
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座席データ | 座席クラス | 掛人数 | 座席形式 | シートピッチ |
普通(ドリームカー) | 2 | R27B改 | 1160mm | |
普通(自由席一般車) | 2 | R51C改 | 910mm |