NewSkySleeperSOLO 最終確認時期:2008年2月

昨今、航空業界の主戦場はCクラスと言われてますが、その煽り(?)でファーストクラスも必然的に変化を強いられてきています。単に内側の事情(圧力)で追い上げられる、と言うより会社間戦争の様相を呈しています。曰く、座席からベッドへ、最近では個室化の動きも本格的になりました。そんなアコモデーションパラダイムの変化前夜と思われる時期に出てきたのがNewSkySleeperSOLOと言えるでしょう。

さすがに2人掛座席を漫然と並べるわけに行かず、1人掛席でプライバシー性を保ちつつ、ある程度の収容性も満たせるように…と工夫された形状が随所に見られます。因みに「New」と付けているのは、これの前にSkySleeperSOLOが存在していたためです。当該席は過去帳入りしてしまい、過渡期モデル的位置付けに見えますが、基本的な動線はそのときとほぼ同じです。

ベッドモードにすると、ヘッドの部分がほんの僅か上向きに、それ以外のパーツはほぼ水平状態になります。

手前のテーブル下にはコンソールパネルがあり、その前方にテレビモニターと小物入れが収納されています。頭上シェル部分上端には読書灯が仕込まれていますね。

座席のセッティングそのものは硬めであり、機内オン(ノーマルポジション・リラックスポジション)の時は、カッチリした座り心地を、オフ(ベッドポジション)の時はベッドシートと枕の下でしっかりとした台座役を果たしている解釈となるでしょう。

座席表地はイタリアの高級皮革メーカー、ポルトローナ・フラウ社のレザーを使っています。テンションは高めと思われますが、丁寧な処理がされているようで、そのフィッティングは「キリッと柔らかい」としたちょっと矛盾じみた感覚がしますね。

通路側の席で見てみると、各種配置がよく判ります。

コンソールパネル側シェルの内側はサイドライトとなっていて、淡いグリーンの光が手元を演出します。画像で見れば座席左手のオレンジ台座はカクテルテーブル、メインの大型テーブルは席左のアームレスト内部に収納されています。

リクライニングについて見てみると、ベッドモード時は周囲のシェル形状からか、微妙にカプセル然とした印象を受けます。それでも、頭上が以前のタイプより守られている感じがするので、安心感に寄与していると言えます。

で、前席コンソールパネル部分下には、このような洞穴のような窪みがあります。座席は、前席と交互配置され、この窪みはベッドモードの時に足を伸ばせるようにした設えです。

下部の銀色のトコロはシューズボックス。ラチェットロックで、フタを開閉します。

背面から見ると強固な固定シェルに見えますが、真ん中にラインが入っています。いわば切り込み線。リクライニング挙動時は、ここから座席側のサイドだけ若干後ろに迫り倒れてきます。尤も、その量はごく僅かであり、後席の通路への出入りに支障が出ることはありませんでした。

で、ベッドモードはこちら。画像はボーイング777(W73配置)におけるセッティングなので、(嬉しいながら)少々間延びしている感じを受けますが、ボーイング747のAコン部分配置であれば、その意味が伝わってきます。

コンソールデスク部分。テーブル下にエンターテイメントシステムのコントローラーがあり、その下には座席のモードをセットするためのパネルがあります。挙動はもちろん全電動となっており、ボタン操作後、一呼吸置いて動作が始まります。

ランバーサポート部分にはマッサージユニットが仕込まれていますので、座り飽きたらこれで腰をほぐすのも良いですネ。

ベッドモードにすると、両側のアームレスト部分が少々障る感じも受けるかも知れません。この辺は、次期ファースト席「SUITE」でどのようになっているか試せ…る日は来るのかな(ムリだべ)。

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