時折「座席撮影に基準はあるのか?」と聞かれます。先に答えを申せば、そのようなものはありません。ご自身が納得できる角度とカットで撮れればそれで充分であると考えています。ここで示すものは基本1996年頃、定式化2000年以降の「Zone-S」としての撮影・掲載ガイドラインを基本にちょっと個人的な見解を足したものです。

故に、ここで示される考え方は私個人の見解であり、何らの根拠も背景も無い一見解であることを前提としてお読みいただければと思います。

1.人は入れない
ごくまれにパーツ操作等で意図的に入れる場合を除いて、人が写り込んではならない。車内全景ならなおのこと。況や、モザイク処理を施す必要があるカットなど以ての外。そんな処理の必要があるカットなら撮り直せ、出直せ、掲載はあきらめろ。というか、車外も油断できない今日この頃。

2.1枚のカットに最大情報量
標準セッティングと最大展開の2枚で収めるべし。2人掛なら1枚で決着を付けるべし。斜め撮りは車内幅などの物理的制約がある場合に限る。フィルム・カメラ機構部のトラブル、ゴミの侵入に備え、同カットを複数枚確保することに務めよ。敵は内にあり。

3.優先順位は座席>他パーツ
まずは座席単体を優先せよ。全景を撮るチャンスは必ず巡ってくる。全景を撮って単品を撮り逃す愚を犯すな。美しい単品撮影は存外難しい。

4.プロよりキレイに
テーブルやフットレストは常に速やかに展開し、すばやく撮影し、即座に撤収せよ。下見は怠るな。カーテンはプロより美しく収納せよ。ゴミが落ちていたら片付けてから撮る位しろ。

5.撮る以上は確実に
手ブレ・ピンボケ以ての外。そんなモノは記録でも、画像でも何でもない。ただのゴミカットと無駄なデジタルデータの羅列でしかない。そんなカットなら撮っても出すな、納得できぬなら撮り直せ。

6.上位クラスに乗れ
グリーン席が付いているなら黙ってグリーン席に乗れ。それ以上もできるだけ頑張れ。大は小を兼ねる。

7.チャンスは3回作れ
定期列車は撮影チャンスを3回作れ。1度きりだから時間的にも精神的にも余裕が無くなる。そのための時間と金は惜しむな。撮り急ぐのも美味しくない。肉は熟れすぎ腐りかけが一番美味しいと心得よ。

8.撮影条件は常に合わせろ
撮影モード、フィルム、レンズなどは常に同条件で行え。今のデジタル記録クオリティとプラットホームは5年後に通用するか冷静に考えよ。デジタル移行はフィルム以上の環境が揃うまで待て。

9.撮るだけは止めろ
乗れ、座れ、自身の言葉でレビューを紡げ。画像とスペックテキストだけならただの絵本である。

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