115系電車(新潟版その1) 最終確認時期:2004年11月

「4ツ口(通勤形電車の意)と広島・新潟にはハマるな」と言うのが、私が居たサークルに伝えられた先人の弁です。曰く「キリがない・訳がわからない・金も無くなる」…3番目は兎も角、趣味的に見ると川口探検隊なぞ目じゃない位に危険極まりないジャンルと言えます。

座席趣味的にも新潟と言えば、上沼垂に代表されるディープかつマルチカルチャリズムに彩られた趣味の吹き溜まりと言える危険地帯であるというのが認識です。これで西日本の近郊形に本格的に手を出したら完全に戻れなくなるのでしょうね…。

さて、写真は弥彦線ワンマン運用に就いていた2両編成。極めて初期のグループに属する車両です。首都圏での115系の追放ッぷりなぞどこ吹く風、と言った顔で今日もコロコロ走って居ることでしょう。

車内は国鉄テイストを非常に良く残したセミクロスシート配置です。クロスシートの横幅が切り詰め気味、通路広めなのがこの系統の特徴です。詳細は次からじっくりと…。

車端からチョイ引き気味に。ドア上にはワンマン改造によって増設されたブザーユニットが見えます。扇風機を残した上で分散クーラーを載せた関係から、何とも豪華絢爛な天井となっています。

ある意味でボン・キュッ・ボン(笑)。

運転台後ろはロングシートが撤去され、運賃箱その他ワンマン対応機器が設置されています。

さて、ボックスシートです。並み居る近郊形ボックス席の中でも黎明期に属するタイプで、薄いフレーム・板と紙一重のモケット貼り背ズリ・急角度でそそり立つランバーサポート・カマボコ手摺り…と、1つの様式美にして萌え所満載のボックス席です。

背当てが薄くても、座面の着座ポイントが少し尾てい骨側にずれていても、座面が勝手にずらせても、ボックス間ピッチが1420mmしかなくても、素敵な物は素敵なんです。

車端部ボックス席。仕切扉側は通例通り通路幅に合わせて狭めになっていますが、それでも元々の横寸が狭めなのであまり違和感を感じません。

ロングシート部分。101系と同様に切り立った座席下部のヒーターユニット、無理矢理張り出させたフレームの上に乗った座面、限りなく原型に近い設えがそこに。

毎日乗る側からしたらある意味拷問に近い環境とも言えます。

優先席だって負けちゃいません。モケットが首都圏タイプになったって、やっぱりバケット構造などどこ吹く風。これが新潟クオリティ。

知ってる人は知ってますが、車端部分には機器類を収める箇所があり、両開きのフタが座席上にあります。

ボックス席の両窓脇には帽子掛があり、車端部のそこは邪魔になる…と思いますが、この部分の帽子掛だけははね上げできるようになっています。

そして塗りドア。全国的にもこのタイプの車両で塗りドアは非常に貴重品となりました。

新潟地区の車両が新潟地区たる所以はここ、何故か編成中でこの写真の区画だけ塗りドア。これ。

上記の車両と番号的には近いながら、新潟駅に直接乗り込む車両の一例。所謂車内更新を受けたタイプ。

基本的には先述のボックス席とフレームなどは同じですが、至る所に手が加えられています。大きく違うのはフレーム色・手摺り・座席下のカバーメッシュの細かさ、そして床面。

まさに必要最小限の加工にして、最大効率の視覚的効果を発揮する一例。リフォームの匠もビックリの変身ぶり。

車端部もホラ。

ロングシート部分についても、座席下のカバー角度は大幅に変わっています。背ズリと座面の間にフレームが入っています。この辺の形状差違については実に多くのバリエーションがあります(一度習ったんだよな…この方に)。

3人掛席だってこの通り。ボックス席背面の化粧板も鮮やかな白に…。

でも、キツネの尻尾はここに1本…座面下のカバー角度が昔のまま…。

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