165系電車(モントレー/ムーンライト) 最終確認時期:2002年2月

かつては急行用電車の主力として、直流電化区間下の全国各地で活躍していましたが、今は定期運用もなくなってしまいました。頑強なイメージでファンも多い形式ですが、JR東日本区間からは引退してしまいました。

写真は臨時快速の「シーハイル上越」で越後湯沢まで顔を出したモントレー色の編成です。

車内はオールクロスシート、今となってはまばらな間隔の蛍光灯・いかにも効きそうなクーラー・独特な形状のスピーカーなど、実に味わい深い車両です。

新前橋区所属の「モントレー色」編成は、修学旅行や団体旅行輸送などでよく走っていたためか、窓には厚手の横引きカーテンがセットされています。

かつては真っ青のモケットがデフォルトだった座席の表地もブルーのメッシュパターンとなり、フレーム塗色も木を意識したような軽い茶色に塗られてその雰囲気をガラリと変えています。

勿論、座ればやっぱり急行用なんですけどね…。近郊形とはやはりひと味違う広いシートピッチに、かつての優等列車のイメージを感じる…のは今や四捨五入30代以上の人だけ?

座席数の関係で車端部はこのように壁際に向いています。勿論、S席と呼ばれるスモールサイズの席もあり、こちらはボックス席の背を見るような向きに座席がセットされます。

上沼垂に所属していた165系にはかつて長野〜新潟間で今の「くびき野」の原形とも言える急行「赤倉」向けの改造をなされた編成がいました。その後、高速バス対抗策として「赤倉」仕様を更にグレードアップした「ムーンライト仕様」も登場しました。

写真はそのムーンライト仕様の一形態となります。読書灯がセットされた荷棚、横引きカーテンなど、細かいながらクロハ455のロザ部分に通じる改造がなされています。

一部眺望の悪い部分もありますが、深夜帯の肌寒さを考えると壁が多い方が夜行運転としては良い部分もなきにしもあらずです。帽子掛を2つ使えるという余得もありますし(悪)。

その当時の座席です。急行用サロから移植してきたR26と、上沼垂所属の特急用サロから移植したR27をベースに、モケット張替・小テーブル撤去を行った座席が1160mmピッチで並んでいます。

快速「ムーンライトえちご」以外に、新宿〜黒磯間の臨時快速「フェアーウェイ」や新潟〜村上間の快速などにも使われており、青春18きっぷをよく使う人によっては切っても切り離せない車両の1つと言えたでしょう。

時間が経過してフットレストの動作不良などがあった上に、旧来の座席の致命的な欠点としてテーブルが無いことから、リニューアルを機にフットレスト撤去と背面大形テーブルの設置がなされています。

モケットの配置は同地区の485系などの通じる色分けになっています。この形式では改造年次や場所によって、改造手順が異なっており、幕張所属だったサロ183のような改造をなされている車両がある一方で、上記の写真のような席がそのまま残っているケースもあるようです。

ムーンライト編成には、撤去した洗面台の変わりに自動販売機を挟んでミニロビーが設置されています。元々、ジュースを飲んだり、眠れない人の為の息抜きスペースなのですが、今では指定券を持たずに飛び乗ってくる人の避難先になっていたりします。勿論、本来的に指定券の無い人は乗れない列車なのですが…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(ムーンライト)2R26/271160mm