183/189系電車(グリーン車) 最終確認時期:2002年3月 | |
いきなりお役御免になった方から、と言うのもナンなのですが…房総地区の183系のリフレッシュ後のR27改です。背面テーブル付加・サイドテーブル撤去・モケット形状および厚さの変更…と随分暑苦しい改造を施しています。リクライニングで戻す時のショックは軽減処理されており、スッと戻ります。しかし、このテーブルがなかなか曲者で、テーブルなのに水平になりません。手元に向かって緩やかに落ち込むような形になっています。勿論、工業製品とは言っても多少の誤差はありますが…いくらなんでも…。 |
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今でこそE351とE257によって形式とパターンが整理された中央本線ですが、183系が定期で活躍していた頃は座席マニアを悩ませる「グリーンの地獄」として知られていました。DX化改造、リフレッシュ、長野新幹線開業に伴う余剰サロの流入…と一頃はどの列車でもあまり変わらなかった(はず)の金太郎飴路線から一転(暗転)、百鬼夜行の様相を呈するマニア泣かせ(座席屋泣かせ)な路線になってしまっています。 |
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まずはリフレッシュ車です。DX改造からあぶれた車両を対象に、R27をそのままベースに「リクライニング戻しの静粛化」「背面テーブル増設・サイドテーブル撤去」「モケット張替・クッション変更・バケット化改造」が行われています。シートピッチ1160mmそのままに、その着座感のはかなり変わったモノとなりました。R27は、リクライニング時に座面が連動してせり上がるようになっており、この機構には根強いファンも多いです。そんなリフレッシュ車ですが、座り心地はエッジ部分を少々硬めにしたため、大柄な人にとっては少々違和感を感じる居心地の悪いモノになってしまいました。何事も程々がよろしいようで…。 |
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そして、この項の大本命・本丸とも言える「あずさ」DX改造当初のグリーン車全景です。重厚な1&2配列、カラーセンス的に薄黄色(ってか薄ベージュ)の通路とちょっと浮いた感じの緑色の床は最大の特徴と言っても良いかと思います。アームレスト上までしっかり張り出した背ズリが座席を広く、重厚に見せています。実際、その着座感は十分に広々したものです。 |
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これがDX改造当初の座席、1人掛のR7です。特徴のあるフォルムに在来線では極めて珍しいリクライニングボタン設置、上下は勿論のこと不要時は自動的に跳ね上げを行うフットレストなど、新幹線に匹敵する巨大座席と相まって一躍注目の的となりました。 当時、在来線グリーンで1&2の3列席を提供していたのはJR九州485系「有明」用改造クロハ、JR北海道の183系気動車のキロ182-7,8に施工されたハイグレードグリーン車のみとなっており、私鉄でも近鉄21000系「アーバンライナー」がDXシートとして実現したのみでした。その野心的な一面を垣間見せたアコモデーションはたちまちヘビーユーザーのターゲットとなり、時刻表にも当該編成は「DX車両で運転」と注記が付いて区別されたほどです。 |
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これがリクライニングをフルに倒した全展開の様子です。フットレストも判りづらいのですが、ペダルによって最下段まで下ろしています。オーディオサービスなどはありませんが、大きな窓とプライバシー性が向上した座席に身をゆだねれば、新宿〜松本間の3時間程度はあっという間です。座面下には白い回転レバーがあります。この辺は普通車指定席部分と同様ですね。 |
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そして、こっちが2人掛のR37です。シートバックテーブル収納時の前面には特段機能に関係ない模様が刻み込まれ、外縁部のフレームと相まって背面は何ともメカメカした感じを受けます。リクライニングを倒した状態で見ると判るのですが、座面も背面に連動して若干沈み込むようになっています。 単なるリクライニングでは、臀部が前にずれてしまうのですが、この沈み込みによってボディホールディングが向上して安定した着座が得られるようになっています。座り心地ですが、今となっては少々柔らかめとなっており、外見の柔和なラインと相まってゆったりとした雰囲気を醸し出しています。 |
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さて、グリーン席改造は比較的長期にわたってまったりと進行したため、後期になると少々異なった座席を装備した車両が現れました。1&2配列はそのままに、後述の189系DX車の座席によく似た座席を搭載している車両が登場しました。 |
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それがこの座席。アームレストからソデ体部分は新幹線100系のR35に通じるものがありますが、フットレストはそれまでに見ないラチェット形(と言えば最も近いか…)昇降機構を持ったものになっています。フットレストは極めて特殊なタイプをしており、これと同系統のものは新幹線400系と新潟・上沼垂に所属している485系3000番台(主として「はくたか」に就役)に見られるくらいです。 |
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リクライニングを全展開し、テーブルを出した状態です。いずれにしても広々とした空間が保たれています。先にも少し触れましたが、新幹線400系のG席とこの席はほぼ同型番と言っても差し支えはないものになっています。 |
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これが2人掛席の方になります。横幅1300mm、1人辺り座面有効幅500mmは新幹線100系G席をいずれも超える高水準なものといえます。正直、窓側の席に行くときにその奥深さが体感できるというのは数少ないのではないでしょうか? |
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そして、こっちが189系のリフレッシュ席です。183系のリフレッシュ席との差異を見いだすのも困難です(笑)。ちなみに、国鉄時代からの由緒正しいグリーン席の場合、2&2配列で12列の48名というのが一つの目安になっています。 |
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お約束のR27改です。先の183系リフレッシュ車との違い、判りますか?無いと思いますが…(殴)。 |
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これが車端部の席。普通、グリーン席の隅用と言えばテーブルは途中からぶらりと畳まれている天板をセットするものですが、これは1枚板になっています。碓氷峠に絡んで何かあったのでしょうか…? |
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「あずさ」に続いて「あさま(在来線時代)」にもDX化編成が登場したとき、装備された座席が4Y1478(1人用)・4Y1479(2人用)と呼ばれる座席です。主たる寸法やスペックはR7・R37に準じていますが、その外見は大幅に異なっています。目に付くところでは、オーディオユニットが追加され、リクライニングがボタン式から私鉄特急で多く見るレバー式になりました。フットレストも台座に固定されたものになっています。この台座固定フットレストは後に651系「スーパーひたち」に続いています。 |
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2人掛の方になります。従来のシートバックテーブルに加えて、インアームテーブルも追加されました。これによって、1人の時・グループ利用の時など用途に応じてテーブルを選択することが可能になりました。 |
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これは「あずさ」に活躍の場を移して暫くしてからのものです。モケットがそれまでの格子状から茶色1色になりました。 |
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そして全展開状態。基本的に「あさま」時代と変わっていませんが…1人掛席がそれまでの八ヶ岳側から富士山・甲府盆地・南アルプス側に向いています。中央線特急の場合、G席1人掛はどちら側でもC席になっています。 |
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こちらは2人掛、こっちも大差はありませんね…。 |
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座席データ | 座席クラス | 掛人数 | 座席形式 | シートピッチ |
グリーン(幕張車・リフレッシュ) | 2 | R27B改 | 1160mm | |
グリーン(あずさDX) | 2 | R37 | 1160mm | |
グリーン(あずさDX) | 1 | R7 | 1160mm | |
グリーン(あずさDX) | 2 | 不 明 | 1160mm | |
グリーン(あずさDX) | 1 | 不 明 | 1160mm | |
グリーン(あさまDX) | 2 | 4Y1479 | 1160mm | |
グリーン(あさまDX) | 1 | 4Y1478 | 1160mm |