485系電車(やまどり) 最終確認時期:2015年6月

高崎地区を主として、首都圏全般にイベント列車や臨時列車として顔を出すジョイフルトレイン「やまどり」。

茶色とベースに萌黄色のラインアクセントがキジッぽいなぁと思ったけど、サイドのロゴにはしだり尾も象徴的なヤマドリが居たというオチ。

運転頻度は高いのですが、入線時間や停車時間がタイトな運用ばかりで、座席専業のワタシにとっては非常に撮影が大変だった車両です。

車内は大別すると2タイプあり、こちらは1・3〜6号車でみられるフォーメーション。

2&1配列でシートが並んでおり、天井にこの車両がお座敷電車を前身としていたことをイメージさせる照明が並んでいます。

反対側先頭車の全景。見ての通り、デッキ仕切扉も通路に合わせて片側に寄せられて設置されています。

この列車の凄まじいところは、1両として同じ座席配列をしていない点。

6両だからそうなるのかはともかく、マルス殺しのような配席データになってるのではないでしょうか。

こちらは中間の4号車。

3号車を後ろ側から。後述しますが、シートバックテーブルが備わっているのが判ります。

4号車のキッズスペースへ通じる折返し通路部分を1枚。

客席部分は若干ハイデッキになっていますが、客室の床全体を高床としており、デッキなどへ通じるアプローチにおいて、このようなスロープになっている箇所が随所にあります。

なので、端部の席だと、通路との切り立ちが目立つ上、うっかりスッ転けてしまう可能性があります。

この座席に見覚えのある人も多少は居るのではないかと思っていますが、253系「成田エクスプレス」で末期に改座を受けたグリーン席が転生しています。

あちらでは、1090mmピッチの上で割高料金で押し通しちゃったから、ナチュラルにブーイングとヘイトを浴びまくったと思われますが、コチラでは1200mmピッチで普通席扱いとなり、臨時特急運用時でも、なんら不足無いサービスとなっています。

付帯設備としては、シートバックテーブルと跳ね上げタイプのフットレストがあります。フットレストの盤面は大形タイプなので、満足感の高い着座体験になるのではないでしょうか。

座席配列によっては、インアームテーブルが付いています。これは座席回転時に前席がない環境に備えてのもの。

また、上の画像と見比べるとリクライニング角度が異なっていますね。設定がずいぶん雑というか鷹揚というか…(苦笑)。

1人掛席も2人掛席と概ね同様の環境になっています。

座面幅はこれでも500mmを確保しており、アームレストと合わせると600mm近くが自席の実質的な幅となります。

2人掛席もそうですが、座席脚台は中央の一本脚となっており、フットレストの奥にグリルのように張り出して見えるのがシートヒーターです。

座席のメーカー? 伝統の小糸工業(KIホールディング・コイト電工)製となります。プレート上の話でして、実質的には丘山産業かもしれませんが。

3・5号車の端部席にみられるディバイダーです。

これのお陰(?)で、窓側席は通路から隔絶された落ち着きのエリアになっています。

このディバイダー、先頭車運転席後ろの区画にもあります。唐突感がないわけでもありませんが…。

さて、この編成最大の謎区画とも言える2号車です。

全景を見る時点からタネ車の広々窓そのまんまに座席配置という、開放感がフルスイングするような空間となっています。

2号車だけ、シートピッチが窓に合わせて1550mmという、何考えてんのか解らん位に広くセッティングされています。

普通に着座する前提で、日本人の大多数が前席に脚を届かせるのも難しい位に広いため、シートバックテーブルやフットレストはなく、なんか座席だけがポツンと孤立している雰囲気にさせられる感がなきにしもあらず。

荷棚もありますが、床に荷物を置くための苦労も要りません。しかし、元々がフットレスト前提の座席なので、座面高から長時間座っていると腿裏にダル感が出てくると思います。そのため、ピッチだけ見て「当たり席」と決めてかかるのも、少々考え物かも知れません。

1人掛席なんか、見たまんまのポツン感。ヘッドレスト上端の握り手が2つあって、鬼っ子みたいなビジュアルです。

なお、窓のカーテンは他号車がフリーストップなのに対し、こちらは段付タイプなので、思う高さで固定できないもどかしさが残ります。

窓は一面、非常に広々とした眺めを占有できること、リクライニングをしても咳をしても一人、自由律俳句で独りごちる心境になれるかもしれません。

2人掛もそうですが、テーブルはインアームタイプのみとなっており、とにかくシートピッチに全力でステ振りしたという評価です。

後ろ斜めから見れば、これ。

運転席後ろはフリースペースでソファが設置されています。

運転席越しですが、迫力の展望が楽しめます。

客席との間は、パーテーションによって仕切られています。

この辺は地域ジョイトレのそれと似た手法ですね。

ソファ自体は詰物が驕られたロングシート的なものですが、ちょっと座る程度なら充分満足な席となっています。

団体用途も想定された列車故か、3・5号車にもソファの付いたコーナーがあります。

シート自体は、運転席後ろのそれと共通化されています。表地のカラーリングは異なっていますけど…。

客席に飽きたら、コチラから眺めを楽しむのもアリ、なのでしょう。

2号車には、ミーティングスペースとして「和」と名付けられたスペースがあります。

個室ほどではありませんが、通路部分とは適度に仕切られた壁によって畳敷きの空間になっています。

ただ、畳とは言いますが、畳表を板の上に張った感のあるものでして、クッション性は皆無です。

壁面には、赤城の山々がデザインされています。

4号車にはキッズルームがあり、やはり座席に飽きた小さい子供向けのスペースとなっています。

これとは別で、2号車におむつ換えスペースが備わっていますが、通常は施錠されており、乗務員への申告制になっています。

窓側の握り手にはしっかりとしたクッションが巻き付けられており、床もクッションパネルが敷かれ、動揺時の安全面も担保されています。その上で、絵本やヌイグルミなどが備え付けられており、考えられてるなぁ、と感じます。

壁面に見えるメッシュはヒーターですね。

前身のお座敷列車からのものでしょうが、トイレや洗面台は1・3・6号車に備え付けられています。

車両の一角には、記念スタンプ台があります。

先述の通り、デッキから客室へは一段上がる形になります。

ロングスロープ形状にならなかった場所は、このように段差で足を取られないよう目立ちづらい黒色ですが、ステップが置かれています。

ドアはタネ車の雰囲気を残しています。ここもステップが残っていますので、乗車時は注意。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(1・3-6号車)1不明1200mm
普通(1・3-6号車)2不明1200mm
普通(2号車)1不明1550mm
普通(2号車)2不明1550mm