701系電車 最終確認時期:2004年9月

客車列車天国だった東北ローカル模様を一変させた車両としてつとに有名です。しかし、似た時期に導入された100/110系気動車とはその評価が全く逆という希有にして色々な意味で「話の種」を残した車両と言われています。

2・3両1セットで、それまで4〜6両前後の客車列車運用をごっそり置き換えてしまったのですから、そりゃぁ混むと言えば混みますわな…そういえば、青森運転所内で強風に煽られて(浮かび上がって)ひっくり返ったのもこの車両でしたっけね。

新在直通路線にもこんな感じでしっかり入ってきています。よく見ると、テールランプの位置が違う…。

701系が入る運用、朝晩の通勤通学時間を外すと、比較的長時間運用が多いように思われます。座れた人と座れない人の落差は大きいですね。尤も、そんな時間帯が熾烈に混むシーン、それ自体は余り見た事はありませんが…。

それでも、私個人としては別形式での運用があればそちらに乗継を合わせようと思わないでもありません。

何せ、主たる走行エリアにおける路盤整備状況と「都会向け」車両の足まわりの悲惨なミスマッチか、なかなかに香ばしいまでのヨーイングが車内座席配置との不協和音を際立たせます。

車内はお見事なまでのロングシート。明るめの内装が少なめの蛍光灯を補っています(毒)。

209系よろしく窓にカーテンがありません。窓の可動部分も最小限となっています。

座席は袖仕切に見られる209系テイストですが、座面下は空間になっていません。座席下には従来スタイルの車両と同様にヒーターが入っています。

寒冷地ならではの装備ですが、関東における209系の暖房セッティングの失敗を見るにつけ、この部分だけは羨ましくなります。

座り心地ですが、209系よりマシではありますが…座面は少々詰物が硬すぎるように思えます。もう少しバシッと腰元をサポートするホールド性が期待されるところです。

優先席は車両中央部、ドア脇に設定されています。一般的に優先席は車端ですが、この位置に設定した真意は判然としません。車端はよく揺れるので、その辺の配慮としたらよく気が付くというか自社製品をよく解っているというか…。

写真は1997年の撮影分です。

こちらが最近のパターン。配置場所は同じですが、座席モケットが首都圏タイプになっています。

そして、投入時期・配属によっては座席モケットの色すら異なっています。これは撮影当時、盛岡方面から長駆してきたタイプのもの。

ワンマン運用に備えた整理券発行機がドア際に設置されています。JR各社は勿論、バスまで含めてこのスタイルは全国統一モデルと言っても差し支えありませんね、ホント。

こちらの方が、後期に投入されたせいか、座席のバケットが強調されています。表地も色だけでなく少々滑り方が異なっています。

田沢湖線(秋田新幹線部分)のローカル輸送にも、台車を標準軌版とした車両が居ます。

こちらは観光客対応なのか、登場後に改良の一環として仕様策定されたモノか、変則配置セミクロスシートとなっています。

クロスシートは、オリジナルフレームながら甲信越115系のそれが範とするデザインです。背ズリが低めなっており、ゆったり座ると言うより、向きだけクロス方向にしました、みたいな意図を感じます。

テーブル類も特になし、と言う辺りに利用時間と利用形態についての意思を感じます。ピッチが広めなのはせめてもの救いでしょう。

ドア際の2人掛クロスシート部分。少々狭めな印象を受けます。

場所は変わってこちら秋田駅。一見、上記の田沢湖線車両に見えますが、これは奥羽本線に当初から投入されていた車両の方。

オールロングシートで3時間近くの運用がゴロゴロしている同線、シャレ抜きで通し乗りをする人を拝見した事もあります。さすがに要望・苦情があったか、一部編成についてセミクロス配置改造がなされました。

尚、この改造車は同線区内の一部編成にのみ施工されており、必ずしも運良くブチ当たると言うわけではない所が残念です。

セミクロスシート改造部分です。上記田沢湖線仕様より明らかにシートピッチが広く仕上がっています。お買い得と言えばお買い得。

ヘタしたら反対側に足を載せられない位に…ってハッ、それが狙いか(恐らく床材のフレームが絡んでいるモノと思われます。強度の関係でその配置を推測します)。

ボックス中央部分には折りたたみ式のテーブルも装備。長時間利用への備えに抜かりはありません。

…このくらいの装備なら何故できなかったんだろう…?と言う気がしないでもありませんが、ともあれユーザーサイドの改良に拍手。

ナナメからテーブルを見るとこんな感じ。ちゃんとボトル向けの穴も開いている親切っぷりは素晴らしいです。

勿論、使うのはキレイに。使ったら元に戻しましょうね。

2人掛席はいつも通り。

この編成については、優先席は車端側に2席となっています。

車端はゴミ箱と車椅子ブロック。合理的というか無駄空間が無いというか…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通4形式付番無1575mm(セミクロス・ボックス部)
普通4形式付番無1800mm(奥羽本線改造ボックス部)