E257系電車 最終確認時期:2002年8月 | |
183系の後継車種として投入され、すでにE351系でまかなわれる運用を除く殆ど全てに就いています。編成としては、中央本線の路線事情に特化した割り振りや編成になっており、標準車という位置付けでは無いような気もしますが…。 車体断面を限界一杯まで広げた室内はデザインと相まって、それなりに広く見えます。半間接照明で照度もある程度保たれています。 |
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こちら、半分がグリーン席の車両の普通席部分(笑)。荷物棚部分の色が異なっています。 |
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普通車の一部には喫煙コーナーを兼ねた展望ラウンジがあり、中央本線車窓名物の山並みが右に左にと展開します。しかし、夏の最繁忙期は自由席難民で溢れかえる予感全開のスペースとも言えます。 |
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普通席は座面スライド機構を併設している小糸工業製の回転油圧リクライニングシートです。シートピッチ960mm、それまでの183系DX中間車と同等のピッチを確保したのは当たり前と言えば当たり前ですが、立派です(笑)。 センターアームレストがJR北海道283系気動車で見られる幅広仕様の物になっています。足下空間もかなり見直しがなされており、思ったより広い空間が取れているのは努力賞といえるでしょう。 そのほか、ドリンクホルダーがシートバックの網袋横に備え付けられています。しかし、かなり低い位置に来ているので、実用性についてはかなり…かも知れません。テーブルとの兼ね合いがあるので、難しいところではありますが…。 |
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喫煙普通席です。禁煙席との違いはアームレスト先端の灰皿の有無くらいなものです。投入されてすぐの車両故、さほど汚れては居ませんが、そのうちヤニで黄ばんてくることでしょう。 先も書きましたが、足下空間はかなり広いと言えます。但し、窓側は車体断面に引っ張られて少々際が狭く感じるかも知れません。この辺は先輩格の183系DX編成を忠実に沿っています(笑)。 座面は一見かなり肉厚に見えますが、外に見える部分をカバーするだけのイミテーションみたいな物で、実用上の効果はさほど期待できません(まして効用を実感しにくい座面先端だけです)。実は座ブトン自体はそんなに厚くないので、底突き感こそないものの、詰物がヤレて来たら臀部の痛くなる座席になることが考えられます。 尚、「テーブルが水平でない」と感じられたアナタは正解です。この座席については、テーブルがこれ以上水平になりませんでした。仕上げの問題ですね。 |
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車端部分の隅用ですが、2席一括の折り畳み小テーブルとドリンクホルダーが備えられています。まぁ、こんなモンですかね。 |
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さていよいよグリーン席です。あっ、「普通車と変わらないじゃないか!」なんて酷い!そこ、物を投げないでください。これでもグリーン席らしいですから。 一応、パッと見ると普通車より席の幅が広いように思えます…2cmくらいですが(殴)。あと、量産車にはヘッドレストの上に手摺りが設けられています。デザイン上は兎も角、機能的にはもう少し大きい方が良かったのではないか、と言う疑問も残りますが…。 |
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天龍工業製のYR149です。普通車よりはオーバーサイズの回転油圧リクライニングシートが鎮座する偏心回転形の油圧リクライニングシートです。主たるアーキテクチャ、付帯設備は普通車のそれとほぼ同一です。明らかな違いと言えば、座面スライドの有無とシートバックテーブル形状、フットレストの有無くらいです。しかし、このフットレストもE3系電車に輪を掛たお手抜きモードです。殺風景というか趣が無いと言うか…跳ね上がるからエライ、と言うわけでもないと思うのですが…。 この座席、じっくり座ってみて判ったのですが(鈍いぞ>自分)、座面先端の方は硬めに、背もたれ側は少々柔らかめ(ややもするとスカスカ)となっています。結果的に腰が落ち着くようになっているわけですが、個人的にはどうにも座面先端・大腿部の裏側が圧迫されているような感じを持ちました。113/115系電車のロングシート改造車にあったブリッジ式ロングシートを彷彿とさせます。 座席の断面部分の形状も、明らかに通路を通る人やワゴンを意識した形状です。おおよそ、着座する人の安楽や安心感という側面からの価値は何ら見いだせません。今時のグリーンにして、ここまでデフレをにじませる設備も珍しいと逆に感心した光景です。 座席が悪いわけではありませんが、この席に腰掛てリクライニングさせると、天井の半間接照明のスリットから直接光が目を直撃します。寝る人が居るであろうグリーン席にして、この配光を考案した人のセンスを疑うと共に、せっかくの半間接照明の意味を根底から崩すでき映えにガックリです。 |
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車端部です。隅用のテーブルは各席毎の大型になり、マガジンラックも仕込まれています。フットレストは固定式で、裏面反転すると土足禁止側が出てきます。 この車両、自動扉の先には車掌室がセットされていますが、設計時の構造簡略化の問題か、車掌室の扉がグリーン客室側、それも扉の閉まる部分が客室側に向き合っているではありませんか。と言うことは、車掌が出入りするだけでグリーン客室側の仕切ドアセンサーが反応してしまいます。外界との遮断を旨としての仕切扉にして、このような動線を設計したとしたらブラックユーモアの他何者でもありません。 この扉、相当な力で閉めないと扉の爪がロックされないらしく、人が出入りする度にズシン・バタン…とかなりの物音を立てています。これを根本的に直すには、乗務員室の間取りを正反対にしなければ不可能です。 一般に、グリーン席は普通席より安息と安楽の対価としてエクストラチャージを支払うモノですが、この形式についてはそのチャージが悉く裏切られているような気がしてなりません。結論的には「この設備でグリーンとはおめでたいな…」と。 |
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座席データ | 座席クラス | 掛人数 | 座席形式 | シートピッチ |
普通 | 2 | 不明 | 960mm | |
グリーン | 2 | YR149 | 1160mm |