E331系電車 最終確認時期:2007年3月

元々、京葉線はこの形式で置き換える目論見があったようですね。E993系(ACトレイン)で得られたデータを用い、「実戦」前提の車両によって更にデータ取りと運用実績を積もうという辺りでしょうか。

営業車ながら、ヘタな試作車より試作的要素満載で京葉線の運用に就いており、と言いたいところですが、営業開始早々に運用離脱したとか。何やら不具合でもあったか、それとも社内的事情で2006年度内に営業投入を行った実績が作れればそれで良し、としたキメゴトでもあったか…。比較的長期間試運転をしていたので、ある程度のアラ出しは終わっていたと思っていたのですが…。

両先頭車はセミクロス配置になっております。全般的な色遣いは山手線のE231系500番台にかなり近いところです。

中間車はロングシート、こちらの色遣いはオリジナルですねぇ。柄こそ先頭車の背面部分と同じですが、ね。

吊革はいわゆる「従来品」を取り付けています。E531系のような長尺タイプではありません。

先頭車の乗務員室寄りドア間にはモード可変シートが設置されています。この場所に配置されたのは、挙動を乗務員が監視できるようにするため、としか考えられません。

各部の詳細画像は後ほど。

連接台車と短めの1両の長さが相まって、E231系よりさらに横幅が4cm程度広がっています。乗務員室の後ろを見れば、その車体幅の広さを感じることができます。

ちなみに、運転台の後ろが車椅子用スペース。

それでは、座席を見ていきましょう。主に中間の車両に設置されている新タイプのロングシートです。個別に仕切られた座面は柔らかめになっており、背面下部の形状と相まって前後に少し幅があるような感じがします。座面のあの柔らかさ程度、樹脂バネでも入っているのでしょうか?

背面ですが、出っ張りのピークがそれまでの新世代車両のタイプよりやや高めになっています。ベルトラインに当てる感じでですね。出っ張りが少々強調されていることと、背面上部の角度が壁面をヘッドレスト部分に見立てるには強すぎるように思えます。

独特の意匠とすれば、その出っ張りのピーク部分下にある横引ライン状の数本の突起ですね。ホールド感への還元の意図があるのでしょうか。

ドア間の長さによって、掛人数が異なり、仕切棒の本数も変わります。

最新型のE531系やE233系と比べると、荷棚がパイプ式のままだったり、ドア脇の仕切板が成型品にしては素っ気なさすぎだったりと、この辺にチグハグ感も多少感じられますね。

車端部は3人掛、消火器もちゃんと配置されていますね(笑)。

優先席区画。209系以来のあのタイプより背もたれが長く見えるのは、色の分け目位置の違い(209系などはランバー突起直下まで座面と同色)です。

見方を変えれば、あの座面と背面間のデッドスペースを殺して、身体との「接地面積」を稼ぐと言う方向性が見えます。

それでは、モード可変シート部分を見てみましょう。ACトレイン・E993系や川越線209系3000番台(一時的)でお目見えしていたものですが、いよいよ本格的に実車採用となったことになるのでしょうか。

ロングシート部分は2人掛となっています。ロングシート時には、右側に見えるクロスシート部分が回転して上に乗っかるような感じになり、その下に引っ込む側の宿命か、相当に直角です。

ボックス席を挟んで反対側も似たような物です。

背面・座面共になけなしのカーブらしき造形は見えますが、座ってみればほぼ板です。単純に座り心地だけで見ればとても喰えたモンじゃない、と言ったところです。

この部分を真っ正面から撮るとこんな感じ。座席下、座面とヒーターの間が空いているのは、ロングシートモードになる時、座面が下に潜り込むためですね。

シート左下にはモード可変用の動作部分が納められたボックスが見えますが、サイズがかなり小型化されています。

後方窓枠の下端部分、収納機構の障害になるためか、よく見られるあのユニット窓枠が切り取られた格好になっています。見慣れないとちょっと違和感。

クロスシート部分です。背面上部はE231系後期増備グループのクロスシート背面に通じるパーツですね。

その他、209系3000番台に装備されていた時の物と比較すると、窓側のアームレストは無くなりました。壁面収納されているロングシート座面下部分に相当する部分の意匠が、穏やかにアームレスト相当の出っ張りになっていますが、これは単なる偶然ではないかと思慮されます。ロングシート収納部分のスペースの関係から、クロスシート窓側はちょっとした荷物置場的なスペースができています。

通路側アームレストの形状が先端になるほどすぼまるスマートな物から、E217系以来のボテッとしたタイプに戻っています。

先頭車にはE531系のシートをベースにした座席が設置されています。

ドアはバリアフリー面に配慮がなされたものになっており、乗務員室後ろの区画については車椅子乗り込みを考慮して、床面にサポート用の可動ユニットが収納されています。

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