E751系電車 最終確認時期:2006年10月

登場当時、速達形「スーパーはつかり」として活躍が期待されていた車両です。2002年冬のダイヤ改正から特急「つがる」として活躍し、新幹線が新青森まで来に至って「さぁ新幹線連絡列車か」と思われたところ、一時的に在来車に運用を取られて失業するあたり「迷車両」な素質プンプンです。

デザイン面では「北のE653」の異名を差し上げたいばかり。そして、どういう訳か冬季故障が多いという、なんだか扱いに手が掛かる車両のようです。同車が登場してから5〜6回青森方面に行きましたが、2回ほど車両故障で485系が代車となりました。こらえ性がありませんね…。

車内の見付は極々標準的な2&2配列。E653系をベースにしていますが、どちらかと言えばE257系に通じる過渡期的デザインコードです。

細かく言えば、天井周りの造形がE653、荷棚のカラー付けや仕切扉の形状がE257へと繋がっています。

座面スライド機構を併用している回転油圧リクライニングシートです。シートピッチ910mm、E653系・400系・E3系(自由席区画)と並び、狭さ堂々日本一(新製特急車リクライニングシート部門…笑)です。しかし、何故に北に向かう車両はスペック上で冷遇されたんですかね?座席脚台を工夫して足を突っ込めるったって、トイレに行くときや乗り降りにはなんのメリットにもなりません。むしろデメリット。

座面厚みのボリュームは非常に良くできているように見えますが、これは視覚的なレトリックで、実際の厚みはソデ体と厚みのある部分から窺える実に薄々とした部分しかありません。外側はいわば「張りボテ」…。

その上、水平もキチンと出ておらず、妙に湾曲した背面形状は視覚的に狭さ満点、その上もの凄く揺れる同車では弁当一つ食べるにも実にスリリングです。窓框やテーブル面には滑り止めのフィルムを貼ってありますが、それでもかなりの不安を感じます。振動を受けた対処療法を講じるより、根本的にそのような滑り止めが要らないような環境を考えた方が良いと思いますが…。

車椅子対応席の前列部分。テーブルが使えないので、JR九州787系でお目見えしたアームレスト先端の追加テーブルがキラリと光ります。

車椅子対応の1人席です。E653系のそれと比して、カラーリングとアームレスト部分の差異以外はあまり違いがありません。

固定用ベルトのちょっとダラッとした辺りもそのまんま。

全展開時の光景。E653系と比して、アームレストが上がって乗り移りがやりやすくなりました。

グリーン席は、天井パネル部分がウッディなシールで普通車のプラスチッキーなイメージと異にしています。もう少し言えば、ニスでツヤツヤより、穏やかに艶消しのされた風合いの方が良かったんじゃないかな〜と思うところ。

各席ヘッドレスト部分の黒い色彩に、ピローの黄色が良く映えています。もっと言えば、ここに頭が有れば車掌からは視界上で気が付きやすい、というのもあったりして…。

裏から見ればこんな感じ。背面表側から巻き込んだパープルがライン上のアクセントになっていますが、全般的なカラーコーディネーションからすると、入らない方が良かったように思えます。

同系統色で視覚上の激しいコントラストを作らないようにしているんだな、という点は評価できるのですが、背面テーブルの質というか作り込みがちょっとヌルく、経年でボコボコになってしまってますね。

グリーン席は、E3系のフレームをベースとした2&2配列のグリーン席です。

座席単体としての座り心地で見れば、決して悪くはないのですが…いまさらこのクラスの席を並べてグリーンでござい、といわれても何の有り難みもありません。

車内全景で、妙に奥行き感を感じると思うのがこの系統。荷物棚の框部分が鏡面処理になっており、灯具が向こう側まで続くように見えるからなんですね。

グリーン席と運転台の間には、485系譲りの荷物置場があります。

しっかりした壁となっており、上に渡されたパイプから察するに、登場当時は比較的長時間運用と見込まれた当初の「はつかり」を想定したコート掛けも企図していたことでしょう。

デッキ・洗面台部分は明るめの木目パネルの壁となっています。この辺はいかにも東日本らしい設計。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1不明910mm
普通2不明910mm
グリーン2不明1160mm