EV-E801系電車 最終確認時期:2017年4月

秋田駅から追分を経て、男鹿半島へググッと入る男鹿線。朝晩は結構な旅客量があり、個人的には割合混み合ってる印象を抱いています。

ここにJR九州のBEC819系電車の兄弟分に当たる車両が登場しました。なまはげもかくやな原色が印象的なEV-E801系。烏山線のEV-E301系に続き、蓄電池電車がデビュー。

烏山線同様、ACCUMのロゴを側面に掲げてます。屋根上パンタの碍子が、交流車両であることを物語ってますね。

2両1ユニットで、赤い男鹿側がクモハに相当します。青い秋田側がクハですが、床下はトイレ等の水回りと走行用蓄電池でビッシリ…。

ドア脇には、このようななまはげさんのイラストカットが貼り付けられています。

クモハ側もこの通り。で、NAMAHAGE-LINEって、マジでその方向で定着させて行く気なんですね。ということは、切符を買わずに乗ったりすると、車掌がキャストオフしてなまはげに豹変し…(なお、日中は主にワンマン運行です)。

車内全景、こちらクモハ側。オールロングシートを基調とし、運転席側に優先席が設定され、それを示す山吹色の吊革が目に入りますね。

ぱっと見て、ドア位置がシートの袖仕切りによって視線に引っ掛かるようなアクセント、これがデザイン上の意図ということなのでしょう。

こちら、クハ側。奥にトイレユニットが飛び出しているのが判りますが、それ以外はクモハと連結面中心にして点対照的に作られています。

ロングシートは「どこかで座ったことがあるなぁ」という既視感があったのですが、思い出すに東京メトロ10000系電車の後期投入車のそれと同じタイプです。さすがにBEC819系の愚は犯さなかったか…と書かれたら安心するでしょ?

この座席もイケてないんだって(苦笑)。何というか「そこまでいうなら肉厚にしときゃイイんだろ」的な投げやり逆ギレな作り方の域を出ていません。おおよそ、乗客の腰回りから背中までを加減速に負けずホールドしよう、という意識がまるでゼロ。

着座感については「単に詰まった」範疇で扁平感がぬぐえず、背ズリも、肉厚な分だけ上体を通路側に押し出してるに過ぎないという、やや狭幅の車体としてはマイナスに作用する形状。メトロのそれも同様の結果になっちゃいますが、つまりはよい座席ではありません。

どのくらいダメかといえば、ロングシートの701系が恋しくなる程度にダメ。

一般席の色使いそのものは暖色系でなかなか統一感を感じるのですが、成形が悪いのか、表地の張り方がメチャクチャに雑なのか、全般的にラインが綺麗に出ておらず、登場早々にして早くも座席パッチワーク的なランダム風味を感じる草臥れたローカル列車の顔をしているところがいささか残念。これ、多分に座席メーカーの責任だよね。だいたいどこの会社か想像つくけどさ。

優先席は、ゼブラスラッシュこそありませんが、色調は首都圏車両のそれに準えたものになっています。床面の色分けも判りやすい。

で、まぁ、この向きから見るとランバーや座面が全般的に凸凹グラグラなのが見て取れます。

また、袖仕切の形状はBEC819系と同様のストンとしたタイプですが、これも今更なんでこれ使うの? 的な悪形状ですね。肩肘を逃がす余寸の発想がまるでないのは、学習感も見当たらず感心できません。

クハのトイレ反対側には車いす・ベビーカー優先スペースがあるのですが、秋田行においてベビーカーの親子連れもエスカレーターやエレベータ、階段に近い側(運転席背後)に固まっており、その機能を全く果たしていません。

さて、秋田支社さん? 工夫のしどころですよ。

運転席背後は、九州で見覚えのあるカーブ形状の窓などがチラチラ。

進行方向になると、通路部分に運賃収受装置がドーンと出てきます。

トイレは九州で定着した車いす対応の三角形、というか台形状のボックス。

クモハ側のクハ連結部は、制御装置や内装系の電源が納められてるそうです。

貫通扉がガラス戸(ポリカですかね?)になっており、横引きの模様が描かれて衝突しないような注意表示となっています。

車内所々には、走行状態・電源供給状態を示すモニタがあり、時折このようになまはげが飛び出してきます。うん、カワイイ。

ドアもBEC819系と同様のものになっています。違う点といえば、マスコットキャラクターがなかったり、注意表示用の黄色テープの貼り場所が違っているとか、そんな感じ。

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