12系客車(ばんえつ物語仕様) 最終確認時期:2002年8月

私は「国鉄(JR)のSL列車=やまぐち号」が公式になっている世代ですが、最近は単なるSL列車ではなく沿線資産を絡めて1つの目的地にしてしまう動きが盛んです。

現在、首都圏から程よく近い路線と言えば大井川・真岡・秩父鉄道とあり、それぞれに味のある車内イベントや魅力がありますが、JRとなるとこの「ばんえつ物語」がそうなるでしょう。単なる古き良き、ではなく新と旧のほどよいミックス加減が人気のようです。

復活時、山手線各駅でも復活をアピールする大判ポスターやパンフレットが山盛りで置かれましたが、そこに使われている機体は走行中の180号機ではなく、秋葉原・交通博物館に保存されている135号機をCG処理したものであることを知っている人は何人居ることでしょう?プレートこそ「C57180」でしたが…。

さてこの列車、車体側面にはこのようなエンブレムがあります。そのほか、オコジョをイメージしたかわいいものも有ったりします。ヘッドマークについては、実は月替わりだとか…。

車内に入ります。12系客車を大正風にアレンジ改造している、とのことですが…時代的改造では既に「やまぐち号」がかなりゴージャスに手掛ており、それからすると割とこざっぱりと12系のたたずまいを残した雰囲気です。

ボックス席です。座席フレームにあった手摺りは撤去され、アームレスト先端にJR九州787系普通席で知られるようになった回転小テーブルがセットされて、窓側のテーブルも大形が奢られています。

12系のボックス席は団体利用および急行利用が念頭にあったためか、それまでの急行用ボックス標準値であった1480mm(近郊用ボックスは1420→1490mm)をググッと広げた1580mmとなっています。

掛心地は一般的なボックス席ですが、座ると何となく反対側が遠くにあります(笑)。

さて、編成の真ん中には売店を併設した展望車があります。

入ってみるとこんな感じ。車両中央がイベントスペースを兼ねるためか、少々殺風景ですが、屋根まで張り上がったガラス形状にトワイライトエクスプレスのロビーカーを連想させます。

その車両中央部。両脇にベンチのようなスタンドがありますが、真ん中は広めになっています。ここで様々な物販やイベントが行われます。

1段上がったところは展望エリア、外向きにセットされたベンチソファで眺めを楽しめます。

反対側も然り。

途中、数カ所で長時間停車があります。ちょっと駅の外に出て買い物や一息が入れられるのも地域ジョイトレの特徴です。しかし、この薄暮の空を見るにつけ、ああ流れゆく日本の夏。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通4不詳1580mm(ボックス間)