E2系電車(1000番台後期増備車) 最終確認時期:2011年5月

まだ増やすか、な勢いのE2系。2010年度に1000番台が追加増備されたトコロ。

車番上は1000番台ですが、それまでの車両と趣が異になっているので製造番号区分から人によっては1020番台と区別している人も居るとか。遠目の区別は付けづらいのですが、パンタグラフ周りの造作と行先表示装置のサイズ・デバイス(フルカラーLED)で見分けを付けることになりそうです。

普通車奇数号車の車内。後述の詳細部分を除くと、従来の1000番台とあまり変わりません。荷棚周りの木目調シートの色調が軽やかになっていたり、床面敷材の色調が明るめになっている程度の違いでしょうか。

普通車偶数号車の車内。これまた座席などのカラーリングは従来の1000番台のそれと変わりません。JR東日本らしく練られた、E2系としては最終形態に位置するデザインとも言えるでしょう(天邪鬼的表現)。

普通席、まずは奇数号車のグリーンをベースとしたものから。既に見慣れた感のある、座面がチルト&スライドする回転リクライニングシート。

川重コンポが手がけたタイプですね。その華奢で欲張りなシルエットに安っぽさを拭えないのはこれまた先代譲りの悲しきトコロ。なにせこれ、座面が滅茶苦茶薄いからね…。

さて、そんな座席の2人掛も。普通席は、窓側床面より少し上を見ての通りで、ACコンセントが設置されました。携帯の充電は勿論、パソコン程度なら充分賄えるようになっています。

一頃は車端席の居住性に対する補償のような側面も見受けられましたが、いやはやすっかりアメニティとして標準装備の感が出てきました。

1号車、車椅子区画の後列に相当する席の通路側。前席が無いので、テーブル機能の補償を肘掛け設置の小テーブルで賄っています。

全席指定の「はやて」でも、この座席はデフォルトで指定できないブロック扱いになっているようです。

車椅子対応区画。肘掛けが跳ね上がるようになっています。この辺は実に見慣れた光景と設備。

車端席には大型テーブルとACコンセント。通路側の席にもACコンセントがあるのは、今でも車端の列のみですね。

裏面処理については、各社共通で縁取り以外は壁面色と合わせるようになっています。

普通席偶数号車。鮮やかなパープルがベースのランダム柄、これも見慣れたデザインですね。

スペック上の居住スペースとしての980mmは、時期的に並行して製造されたE5系車両と比するとバリューダウンは否めません。今後の運用区間などで、次第に棲み分けがなされていくことになるのでしょうね。

3人掛席、中央のB席だけわずかに横幅が拡がっているのはいつものこと。

昼行長距離列車では、一部の例外を除いて基本的に喫煙車概念が無くなったこともあり、この形式ではそれまでの車両で見られた灰皿対応ソデ体が無くなりました。皮肉にも、設計段階で複数図面を作らなくて済むことになり、ある種の合理化。

10号車の車椅子対応列はこんな感じ。1号車のそれと見事に対称的なのですが、上り方向になるとACコンセントの位置がちょっと手を伸ばしづらい位置に向いてしまうんですね…これは今後の課題かな、どうなるやら。

車端部分のテーブルは耐荷重テーブルでも、特に頑丈になっています。だからといって、乗り上がっちゃイケマセンけどね。

さて、後期増尾車ならでは(?)のちょっとした改善設備。

荷棚上にはプッシュボタンタイプのスイッチを持った読書灯が復活。光源をLEDとしています。結構眩しい。

3列席にも備え付けられていますが、C席では光のアプローチにちょ〜っと難があると思います。

B席に座ってC席割当部分を点灯させてみると、その照射光が当たって目障りに感じるので、照射位置や角度に配慮したとしても実用性について少々疑問です。他席とのバランス上、付けざるを得なかったのでしょうが、これは…。

デッキ、ドア部分は今までと代わり映えしませんが、監視カメラがドア框上にお目見え。ドア開閉路のアナウンス機能も設置されています。

お役目御免かと思ったら、どっこい健在なのが車内電話装置。実際、持ってない人も居ますし、携帯電話も万能じゃありませんからね。

洗面台エリアについては、あまり変化が見られません。尤も、毎度毎度激しく変更されていても困る箇所でしょうが…。

今回、ある意味で一番変化があったのはグリーン席。まず全景からすると、通路側の握手の形状が普通席で見られる小さめのグリップに変えられています。

そして、背ズリの形状変更に伴って、座席から醸し出されるシルエット感がややソリッドになったことによる印象の変化が見て取れます。

従前は最上位座席として造られたものの、今後は2番手になることを暗示させる風合いがデザインからも見て取れます。よく言えばスタイリッシュですが、それまでの「空間ガッツリ喰って造ってます」感が消えているのは、特急インフレを起こした後の急行の凋落ぶりを暗示させるセンスです。このクセは抜けてないのかな?

1人掛席を見てみると、さらに印象の変化にビックリ。パッと目に付くところでは、ソデ体が何ともコンパクトになっています。肘掛けの長さについても、先端の部分がスパッと切り落とされている分、短くなっているように見受けます。

ヘッドレスト周辺の背ズリの張り出し方もかなり変わっており、横から見るだけならヨーロピアン調のカーブに戻っていると言うことができます。

全展開してみてさらにビックリなのが、フットレストが廃され、代わりに電動レッグレストが登場している点。東日本エリアでも比較的限られた車両に限られており、採用例は少なかったところ。

新幹線では、古くは400系試作車のグリーン席で導入されてこそ居ましたが、本格的採用はE4系の手動タイプまで時間がありました。E3系2000番台の電動タイプから後、このようなセッティングをよく目にするようになったと思います。

2人掛で見てみましょう。座席の地柄は、従来のE2系のそれを踏襲しており、遠目にはあまり変化が見られません。座席自体は川重コンポ製の新規品となっており、電動レッグレストを装備しています。

リクライニング・レッグレスト・読書灯のコントロールはセンターアームレスト内側に集中させており、両サイドのソデ体はインアームテーブル格納に特化させることで、全体的な横幅を切り詰める方向性を打ち出しています。

一見、E5系のグリーン席と同型に見えるのですが、似て非なる物。E5系のグリーン席にある座面チルト機構は省略され、後述しますがセンターアームレスト下部処理が異なっています。

付帯設備としての背面テーブルはJR東海・西日本のN700系でお目見えしていたスライド機構併用のものとなっており、前方に押し出すとこんな感じ。インアームテーブルの隠れ具合で上の画像と比較すると一目瞭然。

読書灯は、LEDの光源特性が使い切れていない印象です。言うほどスポッタブルではないので、点灯すると隣席やリクライニングする前席に意外と迷惑に感じられるかも。

座席単体で見れば、ほぼ同時期に設計・開発されたE5系と比べると、寸法や機能的にも全般的にお手抜き・軽量化・バリューダウンが判りやすすぎて、同額のグリーン料金を支払う側としては、意図的とも受け取れる差別的感覚を覚えてしまうところでしょう。あまり健全なお手抜きとは呼べず、経営的戦略とすれば稚拙と呼ぶほか有りません。

センターアームレスト部分の下部には、両席1つづつの割当でAC100Vコンセントが付いています。このセンターアームレスト部分のパーツに限れば、E5系のそれと同じなのですが、E5系の場合は両席がユニットで完全に仕切られており、画像のように両席座面は接しないように造られています。

ユニット先端の角度やカブセ材の形状、肘当ての形状などは異なっていますが、後端までの構造や座面先端部処理の造形については、こちらの方はN700系の近縁種と評することができるでしょう。

そうそう肝心のフィッティング、背面は良好ですが座面がダメ。107系電車のようなブリッジ構造を思い出させるスカスカの安っぽい張りを感じてしまいました。レッグレストに気を取られすぎた?

ノンストロボで見るとこんな感じ。おそらく車内に入った印象はコレに近いかと。窓側席は荷棚に半ば遮られる感じで、仄暗い座席周りになると思います。

ちなみに、走行中の振動は件の制御装置のお陰か、同速度の0番台のそれよりソフトな揺動だな、と感じられます。良く抑えられていると感じられました。

車端仕切扉部分にはお約束の情報表示装置が。フルカラーLEDでイロイロ流れてきます。小糸工業クオリティ爆発の趣(苦笑)。

デッキ部分。ドア幅以外は、普通車のそれと殆ど変化有りません。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2形式不詳980mm
普通3形式不詳980mm
グリーン1YR152A1160mm
グリーン2形式不詳1160mm