125系気動車(400番台) 最終確認時期:2011年6月

古くは新婚旅行のメッカ、終点は割と目眩のする地名(志布志市志布志町志布志)が控えるものの、結構長くて完乗ネックになりやすい日南線。

高千穂鉄道から引き取った車両を改造し、何とも木質フォルムの特に急がない観光特急列車「海幸山幸」。運転区間は微妙に宮崎〜南郷。いっそ終点まで往復しても良さそうですが、大人の事情があるようです。

外板は地元の飫肥杉を使い、どこぞのジェンガを横積みにしたような風体です。経年劣化による剥落や腐朽による障害を防ぐため、数年おきに交換されるそうな…良かったね、キノコが生えるまで放置されなくて。

ミトーカデザインで、地産地消的な素材導入車両は今や色々類例がありますが、地元ブランドを前面にここまでブッ込んできたのって、実はコレが最初なのかな?

編成は1号車「山幸」と2号車「海幸」となっており、山幸は赤をシンボルカラーとしています。海幸山幸っちゃぁ、聞こえの語呂はイイんですけど、神話自体を読むとなんともえげつない話でして…^^;。

モノクラスながら、車体幅の関係もあるのか1&2の3列配置で、海側が2列席になっています。荷棚の木質化なんかは、典型的なミトーカあるあるですね。

窓配置は、南郷行きであれば各列ともまぁまぁ眺めに支障がない程度となってますが、宮崎方面向きの場合、かなりの列で柱が視界にブッ刺さります。改造車やリニューアルでは、窓割に遠慮と思慮の無さで定評があるミトーカデザインの本領発揮…。

山幸車は、実測値のシートピッチ1040mmと、普通席にしてはややゆとりを持った配置になっていますが、引き替えに窓と座席の配置はバラバラになっています。

座席自体は885系電車以来のフレームで、座り心地には何らの期待もしちゃぁイケナイタイプです。

お尻に当たる阿呆な背ズリのアームもそのまま。1人掛席については、2列席のセンターアームレストユニットをそのまんま付け、リクライニングはボタンで制御するようになっています。そのため、片側がメッチャゴツい、別の意味で頼りがい満点のアームレストになっています。

窓枠は座席配置に合わせ、物置を兼ねたウェーブ状の框となってます。テーブル的には必須という訳ではありませんが、計画当初の指定席と自由席の格差付け、と言ったところでしょうか。

リクライニングはそこそこ倒れます。しかし、腰回りのホールドが壊滅してるので、長時間座るにはなんだかな、という期待外れ感は拭えません。

テーブルは、センターアームレストユニットの中から取り出すタイプ、端っこに位置するのでサイドアームレスト扱いですね。シート背面には新幹線800系でお馴染みの背面ポケットとコートフックがある位です。

2人掛席では、座席の脚台が中央円筒形となっており、ある程度は脚をゆっくり伸ばして座ることができます。

座席の表地は…九州新幹線にも居たよね、こんなの。

トイレ前の壁面ですが、隅用のテーブルと、窓框のそれが高さピタリ一致。

背後から見てみると、うん、まぁ、こんなもんだよね、みたいな。

照明はLED照明になっています。存外スポッタブルな感じで、思ったより暗めな印象です。

宮崎側にはトイレがありますが、壁面にピクトオブジェのフレームが並んでおり、ほどよい暖簾的な効果を出しています。

トイレは車椅子対応の大形円筒タイプです。

トイレ反対側には、車椅子用スペースと、パンフレット類が備え付けられているコーナーがあります。

南郷側運転席後ろには、ソファコーナーがあります。

指定席側の物は背ズリにもクッションが入ったタイプですが、このシリーズは座面形状がアレ過ぎてソファと言うよりベンチに近い訳でして…ええ、ええ。

反対側には、車内販売コーナーがあります。沿線お土産品や、お菓子、ドリンク類はここで注文を取ります。

海幸との境目には、暖簾がぶら下がっています。これもミトーカデザインのアイコンですね。

ドアはデッキステップが残っており、角張った窓が特徴とも言えます。

床面には、スリップを防ぐための滑り止めが貼られています。

現実問題としてこの列車、路盤の影響もあるんでしょうが、結構揺れるんですね。なので、手摺りは色々必需品。

宮崎側1号車は海幸車両。元々、1両丸ごと自由席で造られていました。

登場後しばらくの間、山幸の指定席が入手難だったことから、急遽、2/3を指定席として運用することになりました。

この位置から見ると、山幸との設備差はなさそうに見えるのですが…。

座席単位で見ると露骨な差。山幸のシートピッチが1040mmのところ、海幸は950mmと10cm近く狭くなっているんです。

座席自体は表地の違いだけなんですが、やはり視覚的に広さの差が判る程度の格差は感じ取れますね。

窓框もストレートで狭い物となっており、山幸のように物を置いたりする造形にはなっていません。

さらに、海幸も南郷行では、窓割りは全席まずまずなのですが、宮崎行の場合、やはり相当箇所で視界に窓枠が障ってきます。

宮崎行きで1人掛最前列(10C席)なんか、もうガッツリと窓無し席ですから(自由席割当部分なので一応避けることはできますね)。

2人掛席もピッチが狭いことと、窓框形状が違う事以外は山幸と同じです。

おおよそ2列に1列の割合でヒーターユニットが座席下に顔を出しており、窓側席は少し足下が厳しい列に当たるかも。

自由席と指定席の境目、ヘッドレストのリネンで色分けされてるので、割と判りやすいと思います。

自由席は原則8〜10列の9席が該当します。

しかして、背面側から見るとなんとも車内は木質が目に入るようになってますね…。

南郷側には、やはりソファコーナーがあるんですが、コチラは某ネコ駅長で知られた私鉄車両のそれをパクりこいた(ま、デザイナー同じだし、登場時期ほぼ同じだもんな)背ズリでして、いやぁ、これ背中砕かれますので(苦笑)。

海幸の南郷側、杉玉かどこぞの住宅情報誌のキャラクターがぶら下がってる辺りが車椅子対応スペースになっています。

乗車時、車いすを停める滑り止めが貼った部分、ゴミ箱が置かれてまして、なんだかどう使ってイイか判らんけど、棚まで付けちゃったからヨロシク、みたいな投げやりメッセージ全開の空間でした。

山幸との通路には、こちらも例によって例の如く暖簾がぶら下がっています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(1号車・山幸)1型番不明1040mm
普通(1号車・山幸)2型番不明1040mm
普通(2号車・海幸)1型番不明950mm
普通(2号車・海幸)2型番不明950mm