この車両ほど生々流転という言葉が似合う車両も珍しいのでは無かろうかと思います。え〜と、この名前で当代取って4個目(オランダ村特急-ゆふいんの森2-シーボルト-ゆふDX)。

古代漆とやらの特徴ある色が使われています。今回の改造で、機関改造が行われているとのこと。私、その方面は疎いので詳しいところでどうぞ。

JR九州の塗色というか外部デザインはとにかくレタリング実験場のような趣も見せますが、今回はやけにおとなしいですねぇ…。

なんてことはなく、作る物は作っているようです。しかし、この配置を見るに付け「世界遺産」を思い出す私って…。

ドア周りに至っては「ほぉ〜ら、見てごらん」と言わんばかりの表示類オンパレード。撮る側からすれば集約されていてやりやすいんですけどぉ。

車内に入っていきます。カラートーンがかなり800系ナイズされているような雰囲気です。

以前は内装板がグレーベースで昼間でもなかなか薄暗かったのですが、スッキリハッキリの白となり、座席のモケット色と凄まじいコントラストです。

裏から撮ってみます。背面のテーブル色は以前のまま、メリハリが効いていると言えばその通りです。

さて、座席自体は以前と同じものがリニューアルされています。以前は号車によって座席色が変わっていましたが、今回は統一されています。

背面テーブルの安っぽいミラージュブラックはしっかり健在。これ、並み居るテーブルより軽いモノになっています。

さて、フットレストは相変わらず両面利用が可能な本格派。窓側が土足禁止側、通路側が土足側です。

シートピッチ960mmの同車では盛り込みすぎかも知れませんが…あのメンテ下手で余計な付属品はいやがるJR九州がしっかり残すというのは凄いことかも知れません。

フットレストは勿論、座席自体の基本設計がかなりしっかりして居たためでしょうか?

背面テーブルが使えない車端側には例によって例の如く、通路側にセットされている折りたたみテーブルがあります。

さて、かつての「シーボルト」には自由席にコンパートメントがありました。今回、この区画は改造の対象となり、フリースペースになっています。

手前側は車販の準備エリア、車内は右に左にの超狭隘クランクが連続する難コーナー。カート捌きもさぞや大変だろうと思いを致す今日この頃です。

そのフリースペース。かつてのヨーロッパ客車個室を想起させる座席は姿を消し、シンプルなベンチとテーブルがセットされています。

車販スペースのさらに連結面側には喫煙スペースが別個設置されています。故に、この編成が全面禁煙であることが判ります。

先頭車一般指定席区画の先、フリースペースから先頭部分を望みます。左にあるやけに大きい仕切区画は運転台との昇降スペース。

フリースペースは一方向きにソファとベンチが設えられています。つまり、この向いている方向の眺めがオススメ、と言うわけですね。

自由席部分にもフリースペースはありますが、そちらは混雑時の収容バッファのような使われ方をしているようです。

もう少し引き気味で撮ってみます。左上にあるスポットライト…なぁんか787系でお見かけしたような感じですねぇ。

ライトカバー部分が出っ張っているので、セミコンパート席のテーブル灯と同形状ですが、ビュッフェ部分窓側にあったライトもカバーを付ければそっくりさんですし…。

パノラマ席に入って行きます。この区画、以前はベンチソファーがあってフリースペースでしたが、今は通常の指定料金に200円プラス必要な特別エリアになっています。

夜の眺めもとても雰囲気があって好きなのですが、この日はどういう訳か指定席先頭車(進行方向なのに)のお客は私以外0…どういうことなんでしょうね…。

パノラマ席から後ろに向けて撮ってみるとこんな感じ。パノラマ席は1&2でゆとりをもった配置になっています。

さて、座席を見てみますと…見ての通り木・木・木・詰物・モケット…と素材上はかなり昔に先祖返りを果たしています。

展望優先のため、背ズリ低め・リクライニング無しのいわゆるソファーシートタイプです。座面は詰物がかなりしっかり入っており、適度なバウンス感もあって特段不満を感じません。

2人掛部分、窓側席はテーブルを展開している状態です。

デフォルトでちょびっとだけ固定テーブルが出ていますが、それでも足りない場合はさらに背面テーブルを展開するようになります。

先頭部分の両脇にある装飾照明、とてもムードある一時を引き立てます。しかし、やはり夜間眺望の難となっていたため、後日撤去されたそうです。

さて、一般的に考えると展望席に座りし者は、いかに低い角度から日射が差そうがじっと耐えて景色を楽しむのが「ノーブレス・オブリージュ」とも言えます。

しかし、しっかりと日射よけのためのカーテンがあります。殆ど使う局面はなさそうですが、一応付けた感じですね。結構重い引き下ろしで、ラチェット固定になっています。