185系3000(3100)番台気動車 最終確認時期:2014年11月

松山〜宇和島間をメインに、在来の老朽気動車置き換えや輸送環境改善を目的として、185系気動車をローカル改造した3000(3100)番台が居ます。

遠目には塗り分けがちょっと変わったところと、貫通扉の愛称板部分に行先方向が入るようになった以外は大きい差違が見えません。

ただ、最近は54系や32系で事足りてしまうようになったのか、ワンマン運行しづらい朝晩の輸送力を求められる場面でのお見かけが主となっているようです。

室内全景です。リネンの代わりにビニール製の枕カバーが被せられています。座席も向かい合わせにセッティングされた以外は特段特急時代との違いが見受けられません。

尤も、いわば「格下げ」する車両にして(一部例外を除けば)そこまで大きな手を入れる必然性も薄いのですが。

ただ、座席配置は担当者の趣味なのかどうか分かりませんが、このような進行方向向き揃えとなっているケースもあり、一概に向き合いというわけではないようです。

進行方向向き配置の場合にて、シートバックテーブルが撤去されています。

乗車時間もさることながら、テーブルがあることで余計なゴミを呼んでしまうのを防ぐ目的もあるのでしょう。この辺はJR九州の713系900番台(サンシャイン)と対照的です。

向き合いでセットされている場合、こんな感じ。R55Bはそのままに、枕カバーが付いたほか、リクライニング機能は封じられており、昔のロマンスシート然とした座り心地になります。

但し、角度がデフォルト固定されており、長時間の着座で腰回りに負担が掛かります。この座席はリクライニング前提のタイプなので、回転に支障ない範囲で少し角度を付けて固定して置いた方が良いのですが、シートピッチの制約からムリなんだろうね、ええ、ええ。

回転機構は生きており、座席脚台のペダルを踏むとクルッと回転します。普通に考えれば無理に進行方向にする必然性も無いのですが。

背面だけを撮ってみると、路線バスのそれに通じるビジュアルだな、と思わされます。

荷棚の下にはバスでよく見る絞りツマミの付いたスポット空調があり、密かにお気に入りだったりします。

座席表地が変更されたタイプも居ます。

掴み手のカラーまで変更されているという、芸が細かさが光ります。

さて、一見平々凡々な形式なのですが、1両だけ座席趣味的には珍車が居ます。

キハ185-3103の車内です。パッと見は他の車両と変わらないように見えますが、何となく背ズリのエッジが切り立ち気味に見えませんか?

座席がこちら。真っ先に気付くのは背ズリ形状が違うところ。他のR55Bよりヘッドレストが立ち気味で、ランバーからヘッドレスト下のネック引き込みに至る角度や形状が異なっています。

また、ソデ体も形状がまるで異なっているのが判ると思います。同様の座席はJR西日本のキハ65系(エーデルタイプ)に見られたもので、採用例の非常に少なかったフレームです。

アームレストのカーブも独特で、現時点で一般客がお見かけできるのはこの車両のみとなっています。

3100番台化される前の特急運用時のものですが、故・逸見政孝氏が出演していた情報番組で、JR特急列車が特集された回、エンディングコメント時に逸見さんが座っていたのがこの座席でした。

キハ185系のリクライニングシートにしてはやけにゴツいな、こんな座席ではなかったはずでは…と当時から思っていたのですが、実際に現物と出会えたのは何年かかったやら。交換・廃棄されてなくて良かった(笑)。

デッキ周辺は特急時代のほぼそのまま、折戸で国鉄フォントのくずもの入れも残っています。

運転台側のデッキです。客室へのドアは少し大きめ、水色のものとなっています。

運転台助手席側は非常に開放的というか、連結時は通路代わりになっている空間です。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2R55B改940mm
普通(3103のみ)2不詳940mm