185系気動車 最終確認時期:2003年4月

北海道のキハ183系500番台と同時期に登場し、新系列気動車の一端を担っている車両です。瀬戸大橋開通時にはエース特急として活躍していましたが、その後は振子気動車の導入の一方で同期の北海道での華々しい活躍と趣を異にしています。

室内は開放的な車内が特徴です。ブルー系のカラーリングは軽快感を引き立たせています。運転席後ろは窓が大きく取られ、進行方向と合えばワイドな車窓が広がります。

座席はR55Bが940mmピッチで設置されています。背もたれが少々厚くなっています。平凡と言えば平凡ですが、今日的な特急のシビルミニマムといえなくもないでしょう。この車両も九州に渡ったグループと同様に、一部座席下に機器のガードが入っているので脚の伸ばせない席が存在しています。

高知県は、漫画家やなせたかし氏の出身地でもあります。JR四国は、氏の代表作「それゆけ!アンパンマン」を車体にペイントしたアンパンマン特急車両を登場させてみたら…利用者アップしたんですね。なモンですから、キロハ186を改造し「ゆうゆうアンパンマンカー」として特定の特急列車に併結しています。

車内はアンパンマン一色の空間となっており、あくまでも「お子様向け」になっています。座席部分はかつてのロザ、R36Bをそのまま残しています。いわば隠れグリーン席なのですが…その内実たるや(表現が公序良俗に問題があるため自主規制)な危険空間となっていました…。

ともあれ、その日1日の全気力を振り絞って撮ったのがこのR36Bです。登場当時の緑色の段織りモケットはそのままに、リネンとカバー部分をビニールで交換不要なモノ(2009年時点でキャラクターのリネンがプリントされた不織布リネン)にしています。サイドアームテーブルは改造時に撤去された模様です。

利用頻度が関係しているのか、JR九州に渡ったグループに比べると座席の動作状態や操作感はよりオリジナルに忠実なものでした。この遮光カーテンにアンパンマンが描かれているのは4番A・B部分です。

バイキンマンが遮光カーテンに描かれているのは1番C・D席。端部の座席は回転させて壁に面すると、フットレストがありません。

車両の半分、普通席側はアンパンマン一色のチャイルドサロンに改造されています。中はケガをしないように設えられた遊戯用のセットが置かれています。子供は大喜びでしょうねぇ。専属のスタッフも常駐しており、子供の面倒を見てくれる「ミニ託児所」の様相を呈しています。

室内には大形のスピーカーがあり、そこから大音量でアンパンマンソングがエンドレスで流れています。しかし、この音量が無遠慮に大きい大きい。指定席部分との仕切扉は撤去されており、そのいわば「騒音」は座席側にも入ってきます。勿論、両方で1つの設備なので子供の様子をすぐに見られるようにと言う配慮なのかも知れませんが、ちとやりすぎです。

座席部分に腰掛けて、持ち込んだオーディオプレーヤーで紛らわせていれば…と思ったら大間違い。座席側にもスピーカーはセットされており、超多重ステレオ状態でアンパンマンがエコーしています。あそこまで行くと洗脳というより「ラリる」状態になります。さすが「アンパンマン」でした(笑)。今まで様々な座席を経験しましたが、今回、初めて撤退を余儀なくさせられました。

座席部分の車端にはやなせたかし氏直筆のサインが描かれています。勿論、この部分はカバーで保護されています。ストロボでサインが潰れてしまうかと思いましたが、結構素直に撮れていましたね…(汗)。

通路を挟んで反対側には、乗車記念のスタンプ台が置かれています。キャンペーンで用いているものですが、予備がないのか、松山で遅れ気味の「アンパンマン宇和海」から「アンパンマンしおかぜ(DC)」へ係員が停車中の貨物のデッキ伝いにスタンプ台を移設するアクロバットなシーンを見たことがあります。その姿はまるでタスキをつなぐ駅伝選手のそれと何ら変わりません。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2R55A/B940mm
普通2R36B1160mm