32系気動車(鉄道ホビートレイン) 最終確認時期:2014年11月

水と緑に囲まれた予土線全通40周年記念、宇和島〜近永間開通100周年を記念して登場のホビートレインシリーズ。

何を思ったか新幹線0系を模したものだから、プレスリリースのイメージ画像段階から各方面が騒然となったのは記憶に新しいところです。

現物が出てきてみれば、ライトは思ったより穏当サイズ、全体的にプリティにまとまった…けど、やっぱり見る度に何とも言えない笑いを醸し出してしまいます。

お顔が団子鼻だろうが、検電アンテナを付けていようが、ここは単線・非電化路線。窓まで開けられちゃって、最高速度は下り坂の勢いで駆ってもイイトコ90km/h。

でも、口々に言われるあの単語、だれが言ったか「四国新幹線」。イイんじゃないんかな、誰が見ても笑顔になれる列車って、考えてもなかなか作れませんよ。

チャームポイントの前頭部は、先端+1.1mで再現。団子鼻はメッシュで風通しと見通しを確保。上半分は運転時の視界確保のため、開放的になっています。

ライトは、筒状のケーシングで本来のライトの光を導出するようにしてますが…夜間やトンネルはハイビームでもないと、なんとも心許ない気がしないでも…ええ。

裏(宇和島側)は…痛車もかくやのペインティング。平ぺったんで、元のライトやら配線やらそのままだから、なんとも忙しいというか暑苦しいというか、そんなお顔になりました。

本当は両端やりたかったのかも知れませんが、故障や増結を想定すればそうも行きませんよね。

宇和島側から車内全景を見ると、右手に恒例(?)の巨大陳列ケース。車内は0系ブルーを基調としたなんともアクセントの立ったディーパスなカラーリングをしています。

窪川に向けて左側はドーンとお約束のロングシートがズラリ。床面に象られているのは、四国初の鉄道となる讃岐鉄道のA1蒸気機関車の図面です。

窪川側から見ると、手前に凄く気になる物件が鎮座しています。

宇和島から乗り込むと、先頭右手4席が0系で用いられたW12を2脚、登場当初より10mm広めの950mmピッチで設置しています。

混み合ってなければ、ドアを挟んで最前列の前方眺めはなかなかよいモノと…なれば良いな(笑)。

カラーリングも懐かしき0系スタイルのW12ですね、色合いとして、シルバーがやや明るく振られている感はありますし、シートリネンがブルーの据え置きカバーにこそなっていますが、雰囲気は当時もかくやと感じています。

さて、この座席の出元がどこか…というものですが、登場当時の地元報道によるとJR北海道の在庫品から譲り受けてきたとか…50系客車や54系500番台気動車からの発生品が結構あるはずですモンね、と納得するのですが…どうしても説明付かないのが窓側の壁面用アームレスト。センターアームレストは50系「海峡」用客車にありましたが、壁面用アームレストは上記2形式のどちらにもなかったはずです。

このパーツだけは、どこから持ってきたか謎だったりします。

後列側は寸法上の制約か、背後のロングシートとの干渉を防ぐため、転換できないようにロックされており、方向が固定されています。

通路側ソデ体の中に、引き出し回転固定のテーブルがちゃんと残っています。テーブルアームのお尻、ツメが少々おバカさんのようで、引き出し後に角度をズラして抜いてしまうとスポンと抜けてしまいます。

それでも、普通に使う分には、飲み物を置く位であれば特に不具合は感じられません。

窪川から乗ると、座席的にはどうしても向き合いになります。

さて、この車両の小ネタはなかなか細部に渡っておりまして、この転換クロス席の頭上を見上げると、荷物棚越しに座席番号が付番されているのが見当たります。

また、ドア近くには乗車記念プレートがあり、記念撮影はコチラで…ということだそうです。

小ネタはロングシート部分にも。海洋堂ホビートレインの改造手法・箇所に準じたこともあるのか、窓間に模型ショーケースがあり、四国島内で見られるJR車両が様々分散陳列されています。ここに8600系が入るのはいつの日になるのでしょうか…。

カーテン柄も凝っており、車内全景で紹介したA1蒸気機関車のシルエットパターンが象られており、ロングシートのシート表地には列車をイメージした図柄が用いられています。

宇和島側の大形ショーケースは定期的に展示企画が入れ替わっており、四国に限らず、様々な鉄道模型が陳列されています。HOサイズが基本なので、なかなか見応えがあります。

窪川側、運転席後ろには、東海道・山陽を基本として新幹線車両の歴代スター車両が並べられています。新幹線イメージ車両のアイデンティティ、辛うじて発露(?)。

おっと、忘れてはいけない運転表の小ネタ。下段を見ると、東海道新幹線開業当時の停車駅による運賃表が掲出されています。なお、現時点では窪川から北宇和島経由で東京まで乗ると、運賃だけで13,970円ナリ。

新幹線を模していても、出入口は32系気動車のそれ、ステップバッチリです。内装は鉄道ホビートレインのイメージマークを図柄にしたパターンシートが一面に貼られています。

沿線途中にはワリと有名な江川崎駅もあり、例のリア充向けベンチがチョコンと鎮座しています。暢気に座ってるリア充はベンチごと爆発してしまえ(笑)。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2W12950mm