JR西日本ご自慢の高速特急車両としてあまりに有名です。営業最高速度は北越急行区間で堂々の160km/h。中高速域での電気ブレーキインパクトも凄まじく、電車列車としてはアグレッシブな走りを堪能できます。顔は結構つぶらなお目目なんですけどね…。

車内は今後の在来線特急の基本形を志向したものになっています。同時期、JR各社では側窓を大きくしたワイドビューが流行りましたが、あえてノーマル+α程度の大きさにとどめたそうです。何でも、窓の下端が心臓より下にあるのは恐怖感を感じる人が出るからとか…なるほど、言われてみればそんな気がしないでもありません。

照明は電球色蛍光灯による間接照明、割とフラットですが、天井が高い位置にあるので圧迫感はさほど感じません。読書灯などはありませんが、中京・関西圏の私鉄特急車で浸透している荷棚下の照明がポイントです。

こちらは号車違いの全景です。号車によってカラーを変えているのは新幹線100系以来確立・定着したデザインコードです。

試作車普通席の1人掛区画です。WRK107座席です。全体的に丸いフォルムは見る目を何となくほっとさせるように思えます。この席は車椅子対応座席となっており、座席脇には固定用の金具とロープが備え付けられています。

シートピッチは970mm、JR西日本の新製した特急用普通車では標準的なピッチです。

試作車普通席の2人掛、WRK223座席です。平々凡々な席と言えばそうなりますが、掛心地は必要充分なものです。しっかりとした詰物と加減速Gでも負けません。負けるのはカーテンくらいなものでしょうか(笑)。

この座席はシートバックテーブルとサイドアームテーブルの2系統が付けられています。使い方や座席の回転位置によって、テーブルの利用が極端に不利にならないよう配慮が図られています。

量産車の2人掛、WRK227です。試作車を踏まえた改良点(会社側・利用者側双方に対して)を反映したものになっているようです。目に付く点から挙げてみると、リクライニング角度・シートバックテーブルの大きさと展開角度・ソデ体の形状変更・座面/背もたれの形状など、かなりの変更点が見られます。

681系のアコモデーションは個人的に「もっと乗っていたい」を具現した数少ない車両と考えていますが、細かく見るとやはり何な点が見えてきます。まず、窓の框がガラスの関係かもしれないですが大きく出っ張っており、肘掛とのスペースが完全に死んでいます。別稿ですが683系ではこの辺の欠点を良く潰しています。

量産車の1人用座席、WRK111です。車椅子の固定は、座席脚台に寄せられています。アームレストは跳ね上げ式になりました。ソデ体の形状は左右合わせて283系(オーシャンアロー)に近くなっています。

全展開状態です。

681系試作車グリーン席の1人掛座席、WRK106です。シートピッチ1160mm、一言で言えばとにかく重厚を志向した座席です。後述の量産車の座席に比べると試作車らしい無骨なシルエットが印象的です。

WRK106の全展開状態です。フットレストは台座固定式、テーブルはインアームテーブルのみですが、そのほかアメニティ設備としてオーディオユニットと収納式の液晶TVが備え付けられています。大阪から金沢・富山と比較的まとまった所要時間があるだけにこの辺のいわば「暇つぶし」には配慮が図られています。

2人掛部分、WRK222です。こうしてみるとリクライニング角度についてはややおとなしめになっていますが、その代わり横幅に充分に広い座席はゆったりした時間を保証されるでしょう。

ヘッドレスト部分には可動式のピローがありますが、支えられている部分がわずか一点、デフォルト角度では枕がだらりと下に向いています。

量産車グリーン席1人掛のWRK110です。試作車の妙にゴツゴツした角が取れて流麗にして統一感のあるフォルムになりました。ヘッドレストも密着感・統一感のある形状に変わり、カバーの色が変更されたことでよそよそしさが消えています。

全展開の状態です。フットレストは大形になり、液晶TV・インアームテーブル共に自然なフォルムに収まっているように思えます。

しかし、液晶TVについては利用を停止し、撤去の動きが進んでいます。メンテナンスもさることながら、受信料の関係もあるのかも知れません。

2人掛のWRK226です。センターアームレストの肘置き部分のカバーも試作車のように小さいものからフルカバー形状になり、フィット感は向上しています。ベロアっぽいシートの表地の雰囲気と相まって重厚にして快適な移動が楽しめます。