速度では新幹線に飛行機、安さで高速バスにお株を奪われっぱなし…北海道系統やサンライズエクスプレスの人気の影で落ち目に見られている古典的な寝台列車群ですが、高速バスより快適+鉄道の定時性と言うサービスが寝台特急「あかつき」に連結されている「レガートシート」でしょう。

14系客車を改造し、夜行バス並みの充実したユーティリティを座席に備え付け、シートベルトも狭い通路も無い隠れ豪華席になっています。

座席自体は1人掛席が独立3列になっており、昼行列車であればグリーン席の風格を漂わせます。

独自設計の座席(図番・WVC155304)がシートピッチ1100mmで配置されています。座席に付帯する設備として足置き兼靴収納ステップ用のオットマン、毛布、スリッパがあります。勿論(?)それまでの座席は910mmピッチのR51につき、一部席で眺望に難が出ます。尤も、夜行主体の列車ではその方が好都合かも知れません。

高速バスを意識したアーキテクチャは実に多機能かつ鉄道らしい重厚感で独特のものに仕上がっています。

深々とした電動リクライニング、登場当時は普通席で珍しかった大形折り畳み式インアームテーブル、そして手元から出し入れできる(ちょっと接触の悪い)読書灯、レッグレスト(アームレスト前方のレバーによるバネ跳ね上げ式)…とオーディオサーヴィス以外は概ね夜行バスのそれを満たしています。

私自身はこの座席との相性が良かったようで(単に乗るときが疲れている時が多いということもありますが)、基本的に安眠させて貰っています。

電動リクライニングは動作が少々緩慢ではありますが、ガスフリーロックにない安心感を感じられます。夜行向けと言うことでリクライニング量は大変なものです。夜行列車での迷惑はお互い様ですので、深夜帯については座席出入りをする側が頑張ってリンボーダンスしましょう。

この車両は室内の1/3程度が植え込みで仕切られた女性専用席になっています。そのために繁忙期などで普通席が完全に埋まっていても、女性席だけは空いていると言うケースがあります。勿論、野郎は女性席を使えませんので念のため。ちなみに、そのれレディースシート、本コンテンツ1枚目のレースリネンが掛かっている座席がそれになります。