3人掛のD32、こちらもリクライニングレバーは撤去されていますが、窓側席だけ、レバーの下端部がわずかに切り残されており、リクライニング機能も生きていることが画像からもお判りいただけます。
このシリーズの座席、3列席が回転できなかったことでヒジョーに評判が悪かったのは有名な話です。しかし、以前からの主張通り、座るための座席機能そのものとしては、その形状や固さなど、非常にデキの良いものであるとの持論は今も崩していません。
恨むべきは、この座席を940mmのピッチで配置したこと。背ズリ下のリンク機構の仕舞いを行う関係から、カバー部分が上の方まで迫り出てしまったことにあるんですネ。そういう意味では、悲劇の座席といっても差し支えはなかったでしょう。
歴史に「もしも」は禁物ですが、R55やR51改タイプでよく見られる背面テーブルがもう少し早く開発されていたら、またはリンク機構がシュリンクできていたら、ソデ体デザイン的にもかなり美麗な一作になっていただろうに、と思わされます。そして、この座席の命運そのものも変わっていたかもしれません。
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