現金輸送車・マニ30(3) 最終確認時期:2004年9月

いよいよ居住区へ入っていきます。この場所、公開当初(2004年7・8月)については警備を兼ね、係員が常駐して公開・解説していましたが、それ以降は基本的に不定期公開・立入制限区画です。

これ以降の室内カットについては、全て小樽交通記念館による特段のお許しとご厚意により撮影をさせていただきました。改めて感謝申し上げます。

車掌室側から全景を見ます。手前に座席、奥に寝台が見えます。プルマンタイプ・A寝台サイズのブツを比較的狭めの50系客車をベースとした車内に設置していることもあるのか、通路はかなり狭めとなっています。

乗車人員など知れたモノの上、あくまでも事業用車両の扱いのなせる業か、この角度から見ると、おおよそ取り回しと言う言葉からは無縁です。

反対側から見てみると、両脇は寝台・真中にトイレユニットがあり、視覚的には狭々した印象となります。

そして、車内灯はカバー付き、かつ変則配置となっています。よく言えば、防犯的・機能的に工夫した跡と言えますが、その無秩序(?)な付けッぷりは「ええい!これだけの必要本数、どこに置くんだよ!」みたいな印象もあります。

もちろんのこと、荷物室と居住空間は仕切扉で隔たれます。しかし、監視に困らないよう、その扉には覗き窓がセットされています。扉自体はごく普通の車両仕切扉のそれです。

これはそれを開けた時のもの。

これが閉めた時のもの。スリット自体は単なる金属板そのもの、それでいて軽く開け閉めできます。ちょっとした揺れでススッと開いてしまいそうな感じで、余り落ち着きませんね。あくまでも覗き窓はこちら側から覗くためのもの、向こう側から覗き込む影があるとすれば、それは…(自主規制)。

トイレ区画、右側に非常停止用コックがありますが、誤って触れて動作しないようにパイプフレームによってカバーされています。

車両が車両だけに間違って作動しようものなら、そりゃぁもう大騒ぎになることでしょう。

トイレです。使用頻度はやはり低いようで、そのブルーレット色も眩しい残り色が凄いですね(笑)。

窓部分に保護棒が付いているのが微妙に象徴的です…でも、現実問題としてこの窓を破ったとして人間って…あ、入れるか、痩せてれば…(自爆)。

第2荷物室側の壁には、監視モニタと非常用ツールが集約されています。

左から第1荷物室・第2荷物室・車掌室の様子が見て取ることができます。

モニタの下には何やらガランとした棚があります。ここには非常連絡用の電話関係装置があったようですが、大人の事情によって取り外されています。

非常用メガホン・ライト・非常発煙装置が並びます。

このメガホン(ナショナル製)の非常用サイレン、非常に大音量でして、うっかりスイッチを入れると大変な代物です。機能面では忠実・真っ直ぐですが、使う場面は幸いにして無かったそうです。

懐中電灯はBF776形(ナショナル製)と呼ばれ、現行懐中電灯の中でも大型・大光量で知られるBF777H形の前々モデルとなります。

こちら、居住室・荷物室内の配電関係を行う分電盤です。冷房・照明なども全てここで集約管理しています。

その脇には係員用出入口があります。大型消火器・非常用ハシゴ・日本鉄道路線地図と通り一遍(?)の道具類が付いています。ハシゴは市販品ですが、日本銀行とデカデカ書かれており、その手のグッズが好きな方なら欲しがることでしょう。

鉄道路線地図は昭和53年当時のもの、今では廃止になった路線もある一方、路線の影も形もない所もあり、いかに使われていなかったかを物語ります。

地図自体はリバーシブル2枚構成となっており、このころのもので、かつ美品(車両の来歴上、日焼けの要素があるはずもなく)というのは比較的貴重です。そのため、展示前メンテナンス時にコピーと差し替えられています。念のため。

メニューに戻る>>