現金輸送車・マニ30(6) 最終確認時期:2004年9月

ようやっと座席に入っていけます。第2荷物室側には座席ブロックがあります。4人掛で真ん中には大きなテーブル…しかし、運用中(留置中も)はカーテンを閉めるのが原則だったようで車窓を楽しみながら…という乗務では無かったようです。

盗難の可能性があるので既に別の場所に待避させていますが、日銀マーク入りの灰皿が置いてあったそうです。つまり、ここは喫煙車…。

座席は回転こそできませんが、R51BNがセットされています。この座席はR51系の中ではメジャーオブマイナー的エリアに属し、一部特急車両・サロ110-1200番台・サロ110-500番台(廃車)に設置されている(た)以外では滅多に見ません。

座席表地は色こそ違いますが段織モケットとなっています。国鉄基準で行けば、段織モケットはA寝台・特急グリーン席にランクされる設備に設置されることが多く(特に、この車両が製造された頃はほぼ例外無し)、この車内設備の位置付けがそこから透けて見えます。

背面下部にはヒーターがあり、ガード用のパイプが設置されています。正しくは、ヒーターに直接手を触れられないようにするためのものでしょう。

さて、こんな小道具も出て参りました。なかなかエキゾチックな柄のクッションですが、そこに見えるはクリーム色の4点突起。クッションには電池が内蔵されており、腰を下ろすと(あるいは腰に当てれば)バイブレーションが楽しめる(?)寸法です。

こうなると、決して座り心地で誉められないR51系も「なんちゃってマッサージチェア」に早変わりです。そりゃぁ、ず〜っと座っていたら腰も痛くなりますよね。目指せ、エコノミークラス症候群回避(笑)。

第1荷物室側の寝台区画です。まずは座席モードの様子。プルマンA寝台と決定的に異なるのはこの窓側のテーブル収納部分に窪みが無いこと。「そこまで気を払うべき対象の車両じゃありません」的な印象が如実です。

ちなみに、こちらも座席時は喫煙OKと言わんばかりに灰皿があります。「寝台利用時は禁煙」と言うプレートを探したのですが、ありません(笑)。すわ寝タバコOKか?と言うところですが、まぁ業務用車両ですし。

寝台展開時の様子。この辺はプルマンA寝台のそれと全く差違がありません。無いモノと言えば、メガネ入れの網袋位でしょうか?

ナナメから座席モードを撮ってみました。

さて、寝台は2段です。寝台車ほど天井が高くない車両で2段寝台故、通常は収納されています。読書灯はありますが、覗き小窓なんてご丁寧な設備はありません。閉所恐怖症の人にはあまりお勧めできない空間ですね。

寝台フレームの横にはこのような奇妙な突起が見えます。これが何を示しているかというと…。

パカッと引き出せるようになっており、これで上段寝台へ上がるステップというわけです。通路幅が狭い車両なので、ハシゴは付けられません。そのため、このような収納式ステップを使うというわけです。

しかし、冷静に考えてみるとこれを使って上段に上がった人に対し、このステップをどう収納しろ、と。夜、消灯状態で出っ張っているコレに当たったら…痛いだろうな、もの凄く…。

寝台は全部で6つ、レギュラーの乗員分あると言うわけです。そのため、トイレブロックの後ろ、備品ロッカーを挟んで第1荷物室側にも寝台があるため、このステップは両側にセットされています。

今や、昼夜ブッ通しの寝台はかなり減り、3段寝台についても583系電車以外では現物を拝むのすら困難になってきました。

寝台列車と言えば、既に寝台はセッティング済みがデフォルトとなって久しいためか、かつての長距離運用で見られた営業列車中の寝台セッティング光景はある意味博物館的とも言えます。

このマニ30でも、寝台を使わない時は上に上げておくことができまして…その操作パネルがこちらです。通常はカバーが掛られていますが、中にはこんな判りやすいボタンがあります。

通常、寝台はこのように天井近くにセットされていますが…。

先程のボタンを「ポチッとな」とすると「グオォン…ドスン」と言う音と共に寝台が降りてきてセット完了となります。勿論、シーツやら毛布のセッティングは各自工夫のこととなっていたようです。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2R51BN----mm
※留意点
1・本コンテンツは小樽交通記念館(現:小樽市総合博物館)
 (https://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/)のお許しの下で撮影しております。
2・車内展示品については安全上、一部別エリア保管となっている場合があります。立入制限箇所があります。
3・内部公開は不定期となっています。公開期間でも気象条件等の理由で中止される場合があります。
4・通常、発電機は稼働しておりません。撮影は陽のある内にお願いします。
5・冬季閉鎖期間があります。公式サイトの案内をご参照下さい。
6・本コンテンツ中の情報については一義的文責は管理人にあります。
7・推測/観察に基づく記述は全て管理人の見解によるものであり、展示施設には何の責任も無いことを予めお知らせします。