智頭急行HOT7000系(リニューアル) 最終確認時期:2007年11月

登場以来、毎日走り詰めと言われる智頭急行HOT7000系。モケットのリフレッシュは2002年頃になされていますが、全般的な接客設備の陳腐さと、疲労感は否めなくなったのか、2007年夏頃からリニューアルが進行しておりました。

工場入場時の施工らしく、そのペースはなかなかのっそりしたものですが、大分見掛るようになったようですね。地産地消をテーマにしたデザインで、2007年夏に鳥取地区でお披露目会を行っていますが、2008年には京阪神地区でも1編成分が揃った状態で展示会を行うようです。

「なごみの空間」をテーマに、デザインはもとより車内随所に鳥取県産品を盛り込んだリニューアルの空間です。

普通席全景です。以前のモノトーンな内装から一転、随所に茶系アクセントが入りながらも化粧板の白色度がさらにアップ。半間接照明のほの暗さをカバーしています。窓は2列単位の大形窓ながら、JR東日本で定着している中央桟による引き下ろしカーテン方式に改められました。

通路、座席表地は鳥取砂丘の風紋をイメージしているのだとか。

リニューアル普通指定席です。ウッドシェルや無骨なフットレスト、何処かで見たようなパーツが累々とするのは間違いではありません。JR九州800系座席、JR四国8000系リニューアル座席で見られるあのシリーズであります。

人と同じく、座席も見た目で決めちゃイケマセン。JR九州883系普通席のようなケースもありますから…と座っては見たものの、前例は覆せません。背ズリのフィッティングはコシのある詰物に変わっているようですが、座面は進展なし。ペットボトルホルダーにはダマされないぞ、と。

皮肉にも、座席表地とソデ体・テーブルのカラーリングだけリフレッシュした自由席の方が腰回りはしっくり来るものとなってしまいました。

で、突っ込みたいのは座席背面。ウッドシェル上端には座席番号を点字で案内する親切もあるのですが、個々に貼り付けた場合、点字が指す場所は点字シートが貼られた座席そのものなのでしょうか、それとも点字が面する空間(すなわち、1列後方側)なのでしょうか?おそらく前者と解すところですが、これは誤解を招くのではないかと心配いたすところです。

グリーン席は、主に内装パネルやカーペットの更新、座席表地の統一的なイメージへの張替を行っています。1&2の基本的なアブレストに変化はありません。

1人掛席。西日本テクノス製のJTC44476ですね。JR西日本683系のWRK123/242に近似のフレームを使っています。撮影編成は最終増備グループであり、リニューアルに際して座席交換などを行っていないことが判ります。

このタイプはフットレストが従前後部カバー直付けの角度固定式でした。それが変更になったのは、それまでのR35フレーム座席が大所帯故、角度調節に関するクレームがあった由(フットレスト下の空間が死蔵するためか?)、後付で角度変更ができるユニットを増設した若干小振りなタイプに変更されています。

全展開状態。リクライニング角度が抑えめなのは目を瞑るとして、この座席は×。正直、グリーン料金が泣けてくる酷さといえるでしょう。

座面は一発で底突きする肉薄座面、腰から背面も体をホールディングしない食い付きの悪さが際だちます。以前のR35フレーム席が恋しい今日この頃です。オーディオユニットも撤去され、救いはACコンセントが座席ソデ体にあることくらい?親戚筋のJR西日本683系WRK123/242は取り立てて不満を感じないのですが、この違いは何?

座席表地は砂丘をイメージし、ヘッドレストカバーは沿線名所を織り込んでいます。

2人掛、JTC44477形ですね。フットレストが見ての通りで角度調節できるタイプになりましたが、これが仇。リニューアルにして仇。

窓側席のように最上段まで持ち上げた状態になると、座席回転ができないんです。回転ペダルは踏めるんですが、フットレスト板面の横っ面に後部カバーがガッツンガッツン当たり、清掃作業員はその度にフットレストを低位まで「キックダウン」させることとなります。フットレストの構造上、座席脚台の前後とも…。京都折り返しは引上線で行うので余裕がありますが、倉吉では…そりゃぁもう戦場。

後付の悪いところモロ出しであり、登場早々のリニューアル車なのにここだけボロボロで酷すぎです。何で回転ペダルを踏んだら連動して高さを落っことすとか、そう言う工夫がなかったかとちょっと失望。グリーン席についてはリニューアルで完璧に悪くなったな、と。

グリーン席に組み込まれる洗面台・トイレのエリア。上を白、下を茶系でまとめています。無難と言えば無難です。

下を濃い色にするのは多分に汚れが目立たないように、でしょうネ。

洗面台側。洗面台カーテンは倉吉絣を奢っています。

洗面台内部。照明カバーには因州和紙を挟み込んで柔らかな光を演出しています。洗面鉢には因州焼と地元志向。

走行中の自然光で撮るとこんな感じ。照明は柔らかに三方向から注がれます。ただ、この車両、結構揺れますから覚悟して使う必要もある罠が…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳980mm
グリーン1JTC444761160mm
グリーン2JTC444771160mm