鹿島臨海鉄道7000形 最終確認時期:2006年1月

水戸から鹿島神宮まで、約1時間20分を掛て走り抜けるのが鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)です。鮮烈な赤がベースになった6000形が有名ですが、茨城県所有にして有料快速・イベント向け車両として投入されたのが7000形「マリンライナーはまなす」です。

登場当初は200〜300円の乗車整理券が必要な快速だった記憶がありますが、いつの間にかその運用も終了。車両は年に数回のイベント時(年始初詣時期・6月あやめ祭り等)に出張ってくるのみ(無論、特別料金不要)となりました。

室内は2&2配列、4アブレストで座席が並ぶ有料列車としてはごくごくオーソドックスな配置です。半間接照明・各座席に配された読書灯などにちょっぴり格の高さを感じさせます。

荷物棚随所にイベント利用で想定される大形スピーカーも見えますね。

運転台直後はサロンコーナーがあり、その開放的な眺めはなかなかの迫力と言えるのではないでしょうか。

座席は、回転油圧リクライニングシートが1040mmピッチで配されています。セミハイデッキタイプとなっており、カーペット敷床面といった設えにバブリーさを感じます。

画像を見ての通りで、座席背面の網袋に見られるようにメンテらしいメンテが大して為されていないのが気に掛かります。茨城県所有、というのはうっかり車両更新(リフレッシュレベル)すらできないのだろうかとちょっと心配になります。そのほか、フットレストの戻りもチグハグだったりテーブルが綺麗に出てこないとか色々…。

さて、この座席…フレームや背面形状に薄ぼんやりと見覚えがある方も多いかと思います。名鉄1000系に端を発し、8800系中間車でほぼ完成し、8500系で確立した天龍工業製の名鉄回転油圧リクライニングシート(の派生品)です。見た目こそ8500系の座席そっくりですが、決定的な違いはセンターアームレストにあります。

先述した名鉄各形式のセンターアームレストは先端から全体に丸いシルエットが特徴ですが、この座席はR55Eに倣うタイプになっています。両ソデ体・肘掛とのシルエット整合性という点ではこちらの方がスッキリしています。

運転台後ろには3人掛のソファーセットが両側に配置されたフリースペースです。この列車が運転されると、進行方向のこの場所が真っ先に埋まるようです。

イベント需要にも対応するため、車端にはカラオケセットまで備わっています。ちなみに、その前は車椅子スペース…しかし、入口の段差をどうしろと!?

鹿島方先頭車にはトイレ・洗面台があります。ちなみに、取材当日は水回りが故障していたようです(泣)。

こちら洋式個室…引き戸は大きいのですが、車椅子対応かどうかは微妙です。手すりの形状からして恐らく利用可能なのでしょうが、マークは無いわ取り回し幅が微妙だわ…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳(天龍工業製)1040mm