秩父鉄道6000系 最終確認時期:2010年7月

元・国鉄165系による3000系引退後の急行「秩父路」が注目されたところですが、西武鉄道の101系(新101系)を譲り受け、改造の後に急行用途車両として運用されています。

ライトが角張ったモノに換えられていたり、画像のヘッドマーク下にはレギュラー期の運用に備えたLEDによる電光表示装置が設置されています。後述しますが、そのほかにも…。

車内は急行料金を収受する列車としての意地も垣間見えるオールクロスシート。冷房も完備され、トイレ等が無いことを除けば、地方私鉄アメニティとしては充分ではないでしょうか。

中間車の全景。床面にモーター点検用の蓋が見えますが、出自がアレですし気にしない気にしない。

え?ドア部分の吊革が気になるって?まぁ、このくらいイイじゃないですか。普通列車に化ける運用もあるんですから。

運転台後ろは見えそうで見えない展望席になっています。指差喚呼や機器操作音は抜けてきますので、臨場感溢れる乗り味を験してみたい向きはオススメ。

座席は見ての通り、西武10000系登場当初に設置されていたRS-517Aを改造したモノになっています。この座席、伊豆急でも改造車に取り付けられるなど、なかなかにモテモテのご様子。

車内は基本的にボックスシート配置ですが、ドア脇などのスペース埋めのような列はこのようなロマンスシートタイプの配置になっています。

シートピッチは950mm、背面テーブルも使えた上に角度は絞られていますがリクライニングも効くと、割高運賃の前にささやか感が漂う急行料金の対価としては上々の設え、といったトコロではないでしょうか。

ドア間ボックス配置席は、ボックス間ピッチが1570mmとやや広め。同線土休日を中心に走る「パレオエクスプレス」12系客車のボックス間ピッチ(1580mm)に合わせたのかなぁ〜と思わされます。

元々の座面が前後に大きめなので、12系に比すると膝間はやや狭めですが、それでも必要充分のゆとりサイズ。窓側には比較的大型の固定テーブルも備え付けられており、ちょびっとリクライニングを効かせれば、グループ需要にピッタリ。

RS-517A、ソデ体がJR北海道281系気動車普通席のそれと同じだったり、デザイン的にヘッドレストの形状がやや不格好に映るのですが、しっかり深く腰掛けた座り心地は小糸工業クオリティ。グッと締まった、いかにも特急座席な風合いです。「何で?」と思えるヘッドレストがこれまた絶妙なんだ…スイートスポットが狭いとおもったらどっこい。

そして車両中央部。3ドアの中央部分を埋め、客席を配置しちゃうのだから何ともやんちゃです。故にこの形式は2ドア車両。類似の座席配置は長電2000系など、比較的少数に留まります。

皮肉にも、窓と座席が何となく合わない本形式において、意識してピッタリなのはここのボックス区画だけという…。

大きな1枚固定窓、車両中央なので混雑時は両側から奪い合いですが、この車両は冷風がラインデリアとスポット口で供給されるので、そこら辺の吹出口も意識して座席を取らないと結構しんどいかも。

リクライニングは絞り気味ですが、片側がやらかすともう片方は殆ど倒せません。

車端部のボックス席区画。ここはボックス間ピッチが1750mmと超ワイド。ピッチが他より広いのはなんだか謎。ピッチを他と合わせて、どちらかに寄ってしまえばヨカッタと思うのですが、フレームやらなにやらの問題があったんでしょうね。

車端故、結構揺れるものの、人数が揃えば他を気兼ねせず使えるという意味で狙い目かも知れません。

妻面窓は残され、引き下ろし式のカーテンが残されています。座席後ろ部分に少し空間ができるので、大きな荷物を持ち込む際はここがやはり定石でしょうか。

羽生側先頭車の運転席後ろは車椅子スペース。

反対側は通常の座席が配置されています。

運転席との仕切扉上にはLEDによる情報表示装置が組み込まれており、沿線案内や広告が流れるようになっています。

ドアは西武時代のまんま、違うと言えば半自動ボタンが追加されている点でしょうか。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(通常向き)2RS-517A改(小糸工業製)950mm
普通(ドア間)2RS-517A改(小糸工業製)1570mm
普通(車端部)2RS-517A改(小糸工業製)1750mm