背面から見てみました。後部カバー部分に小糸工業(小糸製作所)の古いマークが貼られており、その出自が明らかになっています。このころの回転ペダルは座席脚台の横にLの字になってぶら下がっているものです。フットレストも完全な状態で残されており、段区切りの下降・裏面反転共に何の問題もありません。
クッションは経年のためかなり経たってしまっています。営業時は座面の上に座布団とカバーを載せています。表地も痛みが激しかった頃、近くの東京芸大有志の方が修復されたとのことです。そういう意味ではオーナーの意向と極めて幸運な補修を受け、今まで残っているといえます。表地とクッションさえ復元できれば、いつでも博物館の保存対象になりうる極めて希有なケースといえるでしょう。
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