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上信電鉄高崎駅「絲綢之間(シルクの間)」 最終確認時期:2015年5月 |
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昔「周遊指定地に指定してもらう=観光地として認められる」というお墨付きを求め、各地から国鉄に陳情団が来ていたという逸話があります。21世紀に入り、ユネスコはいつから旅行会社を始めたんだ的に世界遺産指定がそれに取って代わった向きもあります。
富岡製糸場を筆頭に、周囲の絹産業遺産群が世界文化遺産に指定され、社会科教科書の一文扱いから大きくランクアップ。グンマーの知名度にも寄与した模様。
アクセスルートとして、ビッグウェーブに乗りたいけど客足がビミョーに乗り切れてない感のある上信電鉄。高崎駅の待合施設としてなんか作ったみたいです。
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電車型待合室、と銘打たれている看板の右には…まんま電車ですね。
私、地方私鉄の細かい形式はとんと知らんクチですが、調べてみると上信電鉄のオリジナル車、200形のデハ203が出自だそうです。
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車内は引退当時のまんまなんでしょ、と思ったらドッコイ。高崎産業技術専門校各科の学生さんたちが車内の整備というか、リニューアルに協力したというまさに地産地消的コラボレーション。
ただ、手前と向こう側でエラい印象が変わるので、少しずつ見ていきましょう。
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ドアは駅舎側の1カ所が割り当てられ、既存のホームとの間にはブリッジが渡されています。手すりもあり、しっかりしたものですね。
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入ってすぐ、留置線側には清涼飲料水の自動販売機が鎮座しています。脇に時刻表がペタッと付いているのが電車待合室っぽい…?
脇のドア框部分に非常口のステッカーが貼られてますが…え、そういう設定だったの!?
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反対側は吊革が撤去され、シートと網棚だけの状態。
貫通扉上には、時刻確認用の時計が見えますが、後日ここにはクーラーが設置されたそうです。撮影した5月の段階で、室内は暑かったからなぁ…夏になったらシャレ抜きで熱中症で死ねるよな、と思ったので宜なるかな。
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ドア近辺、入口の看板との位置関係はこんなもん。
座席下にあるドアコック部分のくり抜きが西武車っぽくてカワイイ。
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車両は3ドアで、中央ドアを境にロングシート部と後述のクロスシート部に分かれています。
ロングシート部は、既存の設置を生かしつつ、大型の固定テーブルを設置しています。テーブルがシート側にやや寄りすぎかとも思えますが、通路の関係でしょうネ。
照明は車両既存のものではなく、枕木方向に別途、蛍光灯を設置しています。電源の関係でしょうかね。
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クロスシート部は、どっかで見覚えのあるものが2&2の4アブレストで配置されています。
車体幅がJR在来線のフルサイズよりやや狭い上、後述の壁面加工のあおりで実寸がさらに狭くなっていることから、通路はかなり絞られています。
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斜めから見ると、窓側の壁面、ぶ厚めの木質内装材でカバーされているのが見えます。
こうしてみると、左右列でシート表地の模様やベースカラーが異なっていることに気づくと思いますが、さて、それぞれ出自をズバリ言える人はどれだけいるでしょうか。
種明かしはもう少し後で。
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なお、最前列は目隠しもついたてもない、なんとも殺風景というか晒し者仕様ですね。
こちとら、撮影はしやすかったのですが、使うとしたら少々落ち着かないかも。
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さて、この座席はいわゆる近郊形サロの中でも、113系や211系のダブルデッカー車に設置されていたR61になります。
現行のE231系やE233系のそれより、特にランバー部分がしっかりした詰物であったりするなど、このクラス帯の座席としては、作りがとてもよかったものと思っております。
強いて言えば、アームレストのレザーカバー部分以外がスチールなので、メンテ前のものに当たると塗りがハゲて錆がサラリと浮いてたりするのが難だったかな、と。
この車両での配置シートピッチはかなりランダムというか雑でして、妙に広かったり狭かったりが混在しています。窓割りに合わせたという形跡もなく、配置設計はお手抜きでしたね。
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一応、座席は回転できるようになっています。なお、入って右列の最後尾部分だけ、このように色調が違ってるんです。
左側は、やはり入って左列の一群と同じ表地模様をしていますが、これが2階席向けの表地。右側が1階席や階下席向けの表地となります。
脚数が限られていましたが、R61には変わり種も存在しておりまして、こちらは後日、別稿でご紹介できるはずです。
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どん詰まりの車端部は、広々とした空間になっています。こちら側の貫通扉の先は運転台ですね。
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万が一のための設えとして消火器も備え付けられていますが、ドアに直接固定されており、ぱっと見でリアルなトリックアートになってしまってます。
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…そういえば、新規で設置された照明は…はい、こちらがスイッチです。
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